無償の愛 | 【シナリオデータ】 舞台 現代 プレイ人数 1人〜3人 プレイ時間 2〜3時間 推奨技能 〈目星〉〈聞き耳〉 【はじめに】 本シナリオは現代が舞台となる短編シナリオだ。時代や時間軸が一致していれば、場所の指定はしない。なので、季節や地域は自由に設定して構わない。探索者は1人〜3人を想定しているが、難易度があがるので、2人以上が望ましい。また4人以上でも、調節次第ではプレイ可能だ。 推奨技能は〈目星〉や〈聞き耳〉などの探索技能である。そのほかに〈ドイツ語〉があれば活躍できるかもしれない。また、戦闘はあるものの回避可能である。話のメインではないため、積極的に戦闘に参加する必要はないだろう。 【シナリオ概要】 本シナリオの探索者は、なんらかの事故やテロに巻き込まれた被害者である。その際、一命は取り留めたものの、重傷を負い、体の一部が欠損している。KPはシナリオ開始前にPLに1D3のロールを行わせ、欠損部位の数と場所を決めておくこと。また、シナリオ開始時に探索者は事故やテロに遭い、重傷を負ったということ、そして体の一部を失ったことを忘れている。探索者は顔見知りでなくて構わないが、同じ現場にいた、または同時期に事故等に遭ったということにしておくと良いだろう。また、欠損が原因でPLには余命が宣告されていても面白いかもしれない。 【あらすじ】 ある時まで平和な日常を過ごしていた探索者。しかしその日常は突然ぷつりと暗転してしまう。再び意識が浮上した時、探索者は四方が打ちっ放しのコンクリートでできた見知らぬ空間にいた。そして体には謎の痣が浮かんでいる。これは一体…? 探索者は脱出するため、建物内を探索することになる。その最中に一人の少年と出会う。少年は折り重なる沢山の屍体に焼印を押していた。探索者は衝撃の真実に触れ、化け物に追われ、大変な決断を迫られる。 【シナリオ背景】 昔々あるところに、今はもう名前の残っていない心優しい神がいた。数多の生物に愛を注いだその神は、中でもいっとう人を愛した。彼らの進化は神に大変な喜びを与えていたのだ。しかし、進化は強大な脅威を生むことになる。事故やテロによって理不尽にも儚い生涯を終える人の子たち。可哀想な彼ら…Opferをどうにかして救いたい、神は自身の持つ力の全てを使い果たして彼らを救済するための空間を生み出した。死んだ者を蘇らせることは、残念ながら叶わないが、それでも失った体の一部を取り戻す機構を生み出したのだ。機構と引き換えに神は消滅してしまった。そして幾許もの時が流れ…事故やテロによって体の一部を失った探索者が機構に呼ばれることになる。 機構は、難しい願いを叶えるために複雑な作りになってしまっていた。さらには、本来失ったはずのものが復活するというこの世の理を覆す事態に対して、暗闇が発生した。全てを飲み込む暗闇は、無慈悲にも探索者に牙を剥く…。 今、絶望と希望の狭間を往く物語の幕が上がる。 【登場人物】 献身の少年(Opferbereitschaft) STR 11 CON 14 SIZ 11 INT 17 POW 11 DEX 11 APP 13 EDU 14 SAN 55 HP 13 DB 0 金髪碧眼の少年。ドイツ語を話す。世界中の全ての言語を片言以下で話すことができる。ただし難解な言葉は理解できない。また、自分の言いたいことがうまく訳せないこともある。名前を問われると、献身と自信なさげに答える。(イントネーションでミスリードすることをお勧めする) 彼はうなじに「Opferbereitschaft」という痣がある。意味は犠牲的献身であり、体の部位を求められた場合、素直に応じる。 彼の役目は、部位の提供であり、焼印を押しているのは彼なりの弔い、つまり趣味である。 |