魔女の心臓
【シナリオデータ】
舞台 現代日本
プレイ人数 1〜3人
プレイ時間 1〜2時間?
推奨技能 〈目星〉


【はじめに】
本シナリオは現代が舞台となる短編シナリオだ。時代や時間軸が一致していれば国や地域は問わない。時期等の設定は自由にして構わない。
探索者は1〜3人を想定しているが、2人が最も適当だろう。
推奨技能は〈目星〉だが、他の探索技能も役に立つかもしれない。また戦闘は発生しないため戦闘技能は必要でない。閃きが重要なシナリオであるため、探索者の〈リアルINT〉も推奨といえるだろう。
また、シナリオ名がシナリオの核心に大きく触れているため、PLにはシナリオクリア後に明かすことが望ましい。


【シナリオ概要】
探索者はニャルラトホテプの気まぐれにより、魔女裁判の裁判官として選ばれる。怨敵を体内に取り込んだ魔女の心臓に送られ、囚われた少女・アルカナと出会う。かつてとある邪悪な魔女に対して行われた裁判の記録を整理して、探索者は魔女を裁かなくてはならない。
また、本シナリオには疑心暗鬼やミスリードを誘うためのギミックがいくつか存在する。KPは細心の注意を払ってシナリオをコントロールしていただきたい。


【あらすじ】
探索者は気がつくと鮮やかな赤で塗りつぶされた部屋にいた。部屋には探索者の他に小柄な少女が1人。戸惑う間も与えぬうちに、カン!カン!と乾いた音が響き渡る。
「ようこそ、法廷へ!裁判の始まりよ!」


【シナリオ背景】
1662年、西欧のとある都市のはずれ、小さな村にて事件は起こった。初めの異変は謎の流行病。有効な治療法は見つからず、多くの村人が死んでいった。流行病が鎮まりしばらくすると、被害者の墓が荒らされ、遺体が盗まれる事件が起きる。次第に村人の間で消えた死体が徘徊しているという噂が立つ…。
孤児院で育った少女・アルカナは偶然にも事件の真相を知ってしまう。アルカナは命を助ける代わりに真実を誰にも告げないように約束させられる。しかし、村人を苦しめた元凶についていつまでも自分の胸の内にだけ留めておくことはできず、夜半こっそり駆け込んだ教会で神に告白してしまう。その話を偶然耳にした神父は、神の使者たる天使のお告げであると信じて行動を起こす。事件の犯人、邪悪な魔女としてシスター、ヘレリナを弾劾した。当時頻繁に行われた魔女裁判である。業火に焼かれる最中、ヘレリナは悪魔の如き形相で呪詛を吐いた。「約束を違えたな…!許さない…!必ず復讐してやる……!」
ヘレリナは滅びない永遠の命の生成を目論み、日々研究と儀式を繰り返していた。(なんらかの邪神を信奉してたと思われるが、不明)試行錯誤の末、ヘレリナはとある薬を完成させる。自身に試す前に村人で試した。流行病も墓から消えた死者もこの薬が原因だった。死者は不完全なゾンビとなったが、ヘレリナは己の執念により薬に込められた術を歪ながら完成に近づけた。長い時間をかけ業火の燃えかすから復活したヘレリナは、離れた地にいたアルカナの魂を自身に封じた。どのようにしてアルカナの魂を滅ぼすか…それを思案することだけがヘレリナの至高であった。
そして時は流れ…歪なる魔女・ヘレリナの存在に目を止めたニャルラトホテプによって、再び魔女裁判が開かれる。


【登場人物】
▼アルカナ(Arcana)
STR 10 CON 18 SIZ 10 INT 10
POW 13 DEX 10 APP 18 EDU 10
SAN 65 HP 14 DB 0
・目星 65%
・聞き耳 65%
・母国語 読解する場合に限り 10%
(アルカナの母国語が何かは設定していない。探索者が技能として持たない西欧の言語がふさわしい。アルカナは読み書きができないため、読解時の技能は10%とする)

孤児であった少女。偶然ヘレリナの悪事を目撃してしまい、殺されない代わりに口外しないことを約束した。しかし耐えられず神に告白してしまい、結果ヘレリナが処刑されたことに強い罪悪感を抱いている。
彼女の記憶や知識は1600年代当時で止まっている。孤児であったため、字は読めない。また、ヘレリナとの約束を守り、事件については告げない。
ヘレリナに囚われた魂は魔力人形に収められているが、本人は自覚していない。長い時間の経過で自身の本来の姿を忘れているため、視界の低さが気になっていない。衣服の下の球体関節を見て、初めて気付くだろう。

▼ヘレリナ(Helerina)
かつて魔女裁判で処されたはずの邪悪な魔女。悪魔的な手法で蘇る。約束を破り、自身の野望を阻んだアルカナを憎み、いつか存分に嬲り殺すため体内に魂を封印している。ニャルラトホテプの干渉を受けたことを無意識に気づき、アルカナを亡き者にするため微力ながら働きかけている。

▼隣室の女声
客観の部屋から聞こえる明るい女性の声。ルールを伝える真実の声だが、ヘレリナの干渉を受けているため核心には触れない。
彼女のセリフは「」で表記する。

▼隣室の男声
執行の部屋から聞こえる気の抜けた男性の声。アルカナを憎むヘレリナの心臓から生まれた憎悪の化身であるため、真実は告げない。虚偽の声を発し、嘘の情報のみを伝える。
彼のセリフは『』で表記する。


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