廊下に出ると妙ちゃんと九ちゃんに会った。
相変わらずの美人二人組だなー。


「あら、明ちゃんどこかへ行くの?」
『うん、飲み物買いに』
「そうか。確か昼休みの自販機の近くは不良のたまり場らしいから気をつけた方がいい」
『え、マジで?』
「そうなの?明ちゃん大丈夫?私たちもついて行った方がいいかしら…?」
『いやいや。大丈夫だよ!カツアゲしてきたらシバきまわすから』


そう言って妙ちゃんたちと別れた。
だから自販機にはみんな近づかなかったのかと今更納得。
放課後くらいにしか使わなかったからそんなことに気付かなかった。
てか、不良なんていたのか。
先輩の不良なら怖いけど、私はもう三年なので同級生の不良ならどうってことはない。
伊達に妙ちゃんや神楽、九ちゃんやさっちゃんたちの友達はしてない。
あんな中にいたら自然と化け物化もする。
もう少しで自販機というところで何人かの声が聞こえ足を止める。


「テメェなんでこれだけなんだよ」
「す、すみません。これくらいしかなくて…」


おーおー。やってらぁ。
ドラマとか映画くらいしかないと思ってたけど本当にあるんだな…。
昼飯をパシられたらしき男子は走ってきたのかハァハァと肩を上下させている。


「こんなんでいいと思ってんのかよ」
「5人分じゃねーだろコレ」
「これだけしか残ってなくて…」
「それはテメェが買いに行くのが遅ェからだろ」


ドンっと肩を押されて男子が自販機にぶつかる。
おいおい…一人相手に五人は駄目だろ。
てか、不良の中にいるのハム子の彼氏じゃん。


「すみません…。次はちゃんと買ってきます」
「次はって昨日もそれ言ってたじゃねーか」
「罰として今日の晩飯テメェの奢りな」
「え…。もうお金ないんですけど…」
「親からでも貰ってこいよ」
「そんな…」


あー。スッゴい腹立つ。
何だよ、テメェのことはテメェでしろよ。
昔から曲がったことが嫌いな私は見てるのに耐えられずソイツ等に向かって走り出した。



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