取り敢えずハム子の彼氏に跳び蹴りをした。
ハム子の彼氏は思いのほか遠くに飛んでいった。
案外飛んだなー。
「テメっ、いきなり何すんだよ!」
『何ってジュース買おうと思ったら邪魔だったから』
「いや、邪魔だからって普通跳び蹴りしねーだろ!?」
『うっせーよ。そこに転がってる牛牧場に返してきなさい。学校にペットを持ち込んではいけません』
「それ人間だからァァァ!!」
五月蝿い不良たちを無視して自販機にお金を入れる。
イチゴ牛乳を押して落ちてきたそれを取る。
隣にいるパシられ男子を見ると呆然としていた。
いや、何呑気に呆然としてんだよ。
今のうちに逃げろよ。
「調子にノんなよテメェ!!」
『あ゛?去勢してテメェ等の粗末なモン一生使えなくすんぞ』
「お、女がそんなこと言っちゃ駄目だろ!?」
「てか、テメェ公子のダチの今和泉!?」
ハム子の彼氏が私に気付き声をあげる。
『はいはい。そうですよ。分かったなら牧場に帰りなさい。貴方の居場所はここじゃありません』
「いや、牛じゃねーっつってんだろうが!!」
ぎゃーぎゃー五月蝿い不良たちを無視してパシられ男子の手を取りその場から走りだした。
後ろから何か不良たちが叫んでいたが気にしない。
やり返しにきたら返り討ちにすればいいだけ。
それ以前にやり返しにこないと思うけど。
取り敢えず何処に行こうか迷っていると昼休みの終わりのチャイムがなった。
次の授業は現文だからまぁサボっても大丈夫か…。
手を引いて誰もいないであろう屋上へ向かった。
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