目が覚めると横に居る筈の彼の姿が見当たらなかった
そ、と彼が居たはずの場所に手を伸ばすともう温度は無く冷たかった
そこでああ寝坊してしまった、と項垂れながらも辺りを見回すと半分開いて日差しが射してる窓とラップが引っ掛けられているごはんがあった
もぞもぞと名残惜しくも布団から這い出てそれに手をかけるとまだ微かに温かく、そこで彼に対する罪悪感が押し出てきた。
瞬間、昨晩の彼が思い浮かぶ
彼の薄暗い中で歪んだ顔や、追い詰められた吐息や嬌声 肩に回ってくる汗ばんだ腕の感覚とか、意外と白い肌とか頬に伝う汗までも馬鹿みたいに脳内で鮮明にぐるぐるリピート再生される
「よしくん…」
返ってくるはずもないのに名前を呟く
居ないのに、彼の事ばかり頭がよぎる
ぴりりと開いたご飯は相変わらず美味しくて、僕の為だけに作られたというそれだけで その事実がいとおしくて
ああ、
早く会いたい