そうだ、と肯定するのはとても簡単なこと。ほんの一瞬、声帯を震わせればそれでいい。それなのになぜか喉は動かない。知っているつもりだった。理解して全部受け入れて、自ら捨てることを選びたかった。けれどやっぱりわたしは愚かで、ただ独りで生きてゆくことなんて出来ない。あのとき、一度死んだわたしは救われないまま、

どちらにせよ何かを失わなければならない。



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