【※】リフティ視点
【※】シフ→リフ→シフくさい
【※】リフが病んでる。
【※】リフがコミュ症である。

















物心ついた時から、兄以外は敵としか認識できなかった。
周りの人間は、皆自分のことを疎ましく思っていて、
絶対に信じてはならない、自分には兄しか必要ない、
兄しか信用できないと思っていた。



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一度、俺が外に出れないのを看かねた兄に連れられ、公園に行った。
何人かすれ違った人がいたけど、その度に眩暈がした。
視界に兄以外を入れることが怖くて、兄以外に見られるのが怖くて。
そんな俺とは対照的に、外の人たちは俺に対して、とても友好的だった。
それがまた、とても怖かった。
笑顔で右手を差し出してくる人間が、
隠した左手に何を持っているかなんて分からない。
ただその場にいるだけで精いっぱいだった。



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このころから兄の言動一つ一つがとても気になるようになった。
兄が「五月蝿い」と蝿を払っていたことにイライラした。
兄がテレビを見て笑っていたことや、
家の裏に住み込んでいる猫に構っていたことにイライラした。
兄の聴いている曲や好きな食べ物までもが気に食わなかった。
兄は本を読むことが好きなようだと気付いて、
家にあった本を全て破り捨てたこともあった。
兄を夢中にさせていた本がとにかく気に入らなかったのだ。
自分の行動が異常なことは分かっていた。
だから兄にそのように見られるのが怖かった。

こんな俺はそれから、何一つ進歩していない。



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最近、兄が回覧板を届けに来る女と仲が良い。
と、いうより、その女が兄を好きらしい。
前は気にならなかったが、どうも近頃玄関での立話が長い。
あろうことか一昨日は家に上がってきた。
「あ、悪いけどリフ…」
兄は、俺が兄に異常に執着していることを理解しているから、
俺に気を使ったのだろうけど、邪魔者扱いされたようで許せなかった。
自分の中で何かが壊れていく気がしたから
まずい、と思って急いで自分の部屋に逃げ込もうとした。
リビングですれ違った俺に、笑顔を向けてきたその青い髪の女が
気持ち悪くて、頭痛と耳鳴りが止まらなくなった。
胸の内で、居心地の悪い黒い感情が渦巻いた。
部屋に駆け込んで、結局吐いた。
自分の左腕を掻き毟ってなんとか落ち着こうとした。

ドアがノックされる音がした。
振り返ると兄がいた。俺を見て目を丸くしていた。
なにやってるんだよ、と呟き兄は俺の手をつかみ洗面所へ引っ張って行った。
赤く腫れ血が滲んでいた左腕を水で冷やされながら
鏡に映った兄が俺を見ていることに震えた。




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「ちょっとコンビニ行ってくる」
ある日、兄は出かけて行った。
眠気眼で見送り、ベッドに潜った。

インターホンの音。
うざ、と呟きながら、兄に誰か来たら一応出ておいて、
と言われたことを思い出し、気怠い体を起こして玄関へ向かった。
「あ、弟さんですか」耳鳴りがした。
ドアを開けると回覧板を持った青い髪の女が立っていた。
これ、回覧板です、と言われ渡された回覧板を受け取り、ドアを閉めようとした。
「え、あの」「…何ですか」「今日はシフティさんはいないんですか」
途端、頭の中で、一昨日リビングで楽しそうに話していた二人の姿が流れた。
激しい眩暈がした。自分がどこに立っているのかよく分らなくなった。
焦点を合わせることが難しい。
「え、…大丈夫ですか?」黙れ。最近兄がよく出かけるようになったのは
こいつに会いに行っているせいなのではないか?
そんな考えが脳内をよぎる。あの兄に限ってそれは無いな、
と考えながらも俺は女をどついていた。
目を丸くしている女の手をつかみ、玄関に引きずり込んだ。
悲鳴を上げて抵抗する女の髪を鷲掴み押さえつけ、爪を剥がした。
泣きじゃくる女がうざくて、舌を切ってやろうかと考えていたところで
兄が帰ってきた。はっとし、女を掴んでいた手が緩んだ。
女は俺を突き飛ばし、嗚咽を漏らしながら出て行った。
兄は怯えた様な目を俺に向けた。
絶対に向けられたくなかった目。
それでも今は、兄がほかの誰にも向けない目、俺だけだと思うと嬉しかった。
でもそれは一瞬で、兄はいつもの様子で俺に飛び散った血を拭くように言った。

血を拭き終わり、兄の部屋に向かった。
ベッドの上で転がっている兄の隣に腰をおろした。
しばらくして、兄は起き上がり、俺に「ごめんな」と言った。
まっすぐ俺を見る兄の目に映った自分を見るのが嫌だった。
いっそ、自分の目を潰してしまえば、何も見えなくなって楽かな、と思った。
どこかに、ナイフや針はないかと、周りを見たが
兄の部屋にそのような物は見当たらなかった。
呻き出す俺を、兄があやす様に抱きしめてきた。
「兄さん俺は兄さんしか認識できないんだよおかしいんだ分かってるんだ
人を信じる事が出来ないんだでもそんな事はどうでも良いと思っているんだよ
だから俺には兄さんが必要なんだよ自分を保っていられないんだ
ねぇ兄さん俺は俺の目も耳も潰してしまいたいそうすれば他を認識しなくて
良いから楽になれるだろそんな俺を兄さんは放っておけなくなるだろ」
俺知ってるんだ、兄さんは俺に求められるのが好きなんだろ、
兄さんは兄さんを求めて狂ってく俺を見るのが好きなんだ、俺たちは狂ってるんだ。







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勢いだけで書いたら酷い出来。
でも気にしない( ^ω^)
二人が幸せならそれで良いんです!






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