【※】敦盛禁断hardEND










「葵くん、大丈夫かなぁ」
私は呟いた。すると、隣の敦盛君が明らかに不機嫌になる。
「おいお前…ここまで来て他の男の心配をするのか」
ぶっきらぼうにそう言われ、ごめんね、と謝るが、本当は敦盛くんだって心配なはずだ。
───葵くん一人を置いて、私達は逃げて来てしまったのだから。

冬の駅のホーム、私は裸足で敦盛くんと共に葵くんのもとを逃げ出してきた。
寒さで赤くなり、所々擦り切れた私の足を見やって敦盛くんが言う。
「すまんな、靴はどこかで買おう。少し我慢してくれ」
「うん、大丈夫だよ」
私達のいたマンションに私の靴は無かった。外に出る必要がなかったから。
ずっと、死ぬまであの部屋で3人で堕落した生活を続けるのだと思っていた。
しかしついさっきの事だ、葵くんがうたた寝している隙に、
敦盛くんが私の腕を引っ張り部屋から飛び出したのだ。
あまりに突然な逃走で驚いたが、私は大好きな敦盛くんに付いて行く事にした。
一人残された葵くんはどう思うだろうか。
私達を、裏切り者だと、恨むだろうか。
しかし、葵くんは私達を探すような事はしないとなぜだか確信できた。
これから、私達を知らない見知らぬ街で、敦盛くんと二人で生きていくのだ。
そんな私達を戒めるかのように酷く冷たい冬の風が容赦なく吹き荒れる。
ロクな服装で出てきたわけもなく、私は体を震わせたが、
隣にいる敦盛くんの存在を感じれば、心は熱くなった。
そっと敦盛くんの手に触れれば、強く握り返してくれた。
私達はその手を離すことなく、二人のエデンへと向かう電車へ乗り込んだ。












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久しぶりに月華のファンブックを開きながら書きました。
敦盛禁断hardもなかなか衝撃的なENDだと思うけれど、
月華は他のENDも濃いので…侘には負けます笑
まだ本命の葵なずを書けてないから、もう一度プレイしてから書きたいなぁ。






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