【※】侘介視点
【※】侘なず?
【※】お兄ちゃんがお兄ちゃん













ノックをしても返事が無かったから勝手に部屋に入ると、なずなが寝ていた。
昼間だというのに、と思いかけたが、机の上に散らばったノートや参考書を見てその思いは打ち消された。
「昨日も夜遅くまで部屋の電気ついてたみたいだしな…」
テスト前でもないのにと、俺は素直に感心した。
此処へ来た目的の、なずなの友達からと思われる手紙を机の端に置き、
なずなの横にそっと寝っ転がった。
そしてすぐ横で寝息をたてている妹の寝顔を見て呟く。
「なずなは、…本当に、可愛いよな…」
その言葉に偽りは無く、誰に向けられた言葉でも無かった。
「……」
俺が思わずなずなに抱きつくと、急に寝ていたはずのなずなが目を開いた。
「…お兄ちゃん?」
なずなは眠気眼ながら怪訝そうな顔を向けてきた。
「起こしちゃったか?ごめんな」
「えっ、ううん…って、え!?やだ、もー!!」
いきなりなずなが大声を上げたかと思うとベッドから飛び起きた。
「寝るつもり無かったのに…やんなきゃいけない事あるのにっ」
自分自身を叱りつけるように言う。
そんななずなの腕を引き、俺は再びなずなをベッドに引き戻した。
「…お兄ちゃ…」
とっさの事に反応しきれなかったなずなの体がベッドに沈む。
そして不安そうな目で俺を見つめてきた。
「もうちょっとだけ」
俺はなずなの首元に顔を埋めて懇願するように言った。
こうするとなずなが何も言えなくなることを俺は知っていた。
「う…うん………」
少し前まではこうした事が全て俺の中での願望、ただの妄想だった。
しかし現実で、確かにこうしてなずなに触れる事が出来るようになって、
こうした事が妄想などでは無いと感じれるようになって、余計な事を考える余裕が出来た。
そうすると俺は自分の中で今まで築きあげてきた、世界観や、他の何かが崩れていくような感覚に襲われる。
それは決して自分では不快な事ではなかったが、半自己嫌悪のような感情が俺の中を渦巻くようなことがあった。
「…お母さんたちは?」
なずなの声にはっとする。
俺はできるだけ平然とした態度を保ちながら答えた。
「出かけてるよ」
親の目を欺かなければならない事が疎ましい。
───俺となずなが兄妹でなかったら。
───普通の出会いが出来ていたら。
───もし、そんな世界だったら…
「はは、」
突拍子もなく笑うと、なずなが不思議そうにこちらを見てきた。
───もし、そんな世界だったら、
「俺はこんな事にはなってなかった、だろうな」
だから俺は今はもうこの関係を恨む事はない。
今が良ければそれで良いんじゃないか。
もう全てどうしようもないのだから。








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本当今までにないくらいハマったゲームです。
月華のおかげで確実に人生変わったね!リジェ愛してる^p^
周りに布教しまくってたらお兄ちゃんとメロンパンの
恐ろしさだけが広まってしまった。
FDまだですかああああああ└(゜Д゜└)






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