ふと
彼の部屋、壁を退廃に彩るドライフラワーを見て思った事には、もう揺れぬ花弁は彼女にとって不本意であり、本来麗しく在るべき蕾は今は浅黒く枯れ、ただただ静かに佇み、無理矢理時間を止められた彼女から為れば其処に在る理由は正に、彼のエゴでしか無いのかも知れないと言う事なのでした。
彼女に舌が有るのならば、
a、 「 あなたを、許さないわ 」
b、 「 土へ還りたい 」
彼は笑って
ならば答えはcだと仰って、
「 彼女は俺が起きてる時は大人しく壁にぶら下がっているけれど、俺が眠ると傍らへ降りて朝まで唇へ肌へ、氷のような口付けを繰り返す。
だから答えは
「 愛してる、
命を全うできなくても構わない 」
に、違い無い 」
などと屈託無く笑うものですから、
私はもう返す言葉すら忘れてしまって、ただただ
同じように笑う許りなのでした。