やれなんだ
やれかんだ
先日、たくあんを拵えようと明礬を手に入れたきみは、日が昇ると同じく起床し、一本の大根を所謂いちょう切りの過程で四分割
「 いっぽん、百七十八円でしたの 」
扨、きみはプランターで大根を育てていなかったかい
「 あれは未だ、小さくて
食べれませんわ 」
綺麗に皮を剥かれた大根は籠に並べられ、風通しの良い軒下に干されている
なんだか嬉しそうなきみの指先にはきいろい色粉
日に晒される白い切り口を見ながら、
…ぼくは其れは苦手だな
言いかけた言葉は珈琲と共に飲み込んだ
後悔はしていない
このまっしろな白磁が満遍なく、浸されるようにきいろに染まっても、其れが、たくあんの本分と云うものなのだろうから