dream | ナノ


「疲れたぁ〜。さっぱりした〜〜…」
「お疲れ様です智香さん。今回はまた人数が多かったからですからね」
「ん〜…。そう何回も何回も大将を負傷させるわけにもいかないからこっちも必死だったよ…」

攘夷グループを無事検挙し、土埃や返り血などの汚れを風呂で綺麗さっぱり洗い落とした智香はおもむろに局長室の扉を開け、早速報告書を書いている佐々木の隣に腰を下ろした。
佐々木も風呂に入ったばかりなのでいつもよりも前髪が多い。肩に寄りかかってあくびする智香をチラリと一瞥して、筆を止めて代わりにケータイを開く。

「そうですか。心配おかけしました」
「ううん…。やっぱりどこかで局長に頼ってたし…隊は引き締まったから…」

智香がやけに張り切っていたのはそういうわけだったか、と佐々木はひとりでに納得した。
佐々木が目を見張るくらいに暴れまわった智香はもうそろそろ限界のようで、徐々にまばたきが失速していく。

「…起きたら、マスタードーナツにでも出掛けましょうか」
「いーです、ね…。今、また、美味しそうな期間限定、が…」


「はい。ですからそれまでは、ゆっくり休みなさい」



「ん………」

こてん、と頭が肩によりかかった。

ゆるやかに響くだけ

(…で、異三郎は寝ないの?)
(居たんでしたら言って下さいのぶめさん。というか、耳元でこんな寝息をたてられて眠れるわけがないでしょう)



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title by休憩さま
かわいい人と同じく、佐々木さんが怪我をした後どうするか、というお題で書いた一周年記念没作。
勿体ないのでアップ。
ちょっと破天荒で普段は悩みの無いような子のイメージ。

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