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「お茶、淹れようか?」
「いらない」
「あ、そ」
付き合い始めて約三ヶ月。
一ヶ月目はまだラブラブで向こうも優しかったのに、二ヶ月目辺りからだんだん態度が冷たくなってきて、三ヶ月目にはとうとうこんな風に素っ気なくなった。
コチラが話かけなければ、まるで居ないモノのように扱うのが、凄くムカつくし同時に悲しい。
嫌いになったんなら、どこが嫌いと言って欲しい。
こんな風にただ冷たくされたら改善のしようが無いじゃないか。
はあ……、とため息をついて書類しか見ない彼を眺める。
始めは互いに興味がなくて、遅刻者の指導の時怖じけづかないから、珍しがられて、声をかけられるようになって、
いつの間にか相手を目で追ってて、好きになってしまい最終的には付き合う事に。
どっちから言ったかなんて覚えてない。
でも、あの時は幸せだった。
「………恭弥」
「………」
「……ねぇってば」
「煩いな、後にしてよ」
「今が良いの」
そう言うとジロッと睨むような視線をよこす雲雀に、苛立ちと虚しさを感じながら唇を噛むと悩んで、悩んで出した答えを口にする。
「……ねぇ、別れよっか」
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