-奪取-01 

肥沃な大地には美しい華が咲き乱れ、その花園の上に一人の乙女が居た。


黄金の髪、白い腕(かいな)は陽の光のように眩しく、乙女がそこに座しているだけで辺りは生気に満ち、光を放っていた。



ふと、乙女は花園の中に一輪の水仙が咲いている事に気づき、その芳しい香りと気品さを感じる美しさに見惚れ、近付いて手を伸ばした。




ピシッと小さく音を立てて水仙を手折った瞬間、花園全体が揺れ、乙女の足元の大地が大きく裂けた。



大地の裂け目から黒い影が姿を現し、あっという間に乙女を連れ去って地の下へと帰って行った。



か弱い乙女の泣き叫んだ声は、大地に塞がれて消えた。




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