デュラララ | ナノ


とん、とん、とん。
そんな階段の音を発てて、静雄は二階へと上がって行く。
手元に雑誌を持って、自室へと向かうために。
だがそれは、目の前の異様な光景を目にして、二階に上がったまま止まることとなった。

静雄は暫くの間じっとその光景を見つめ、様子を見ることにする。
だがどんなに待ってもその異様な光景は変化を見せず、異様は異様のままである。
今度はなにをやっているのだと静雄は半ば呆れると、ファミリールームを突っ切り、その先にあるベランダへと近づいた。



「おい、姉貴。ベランダで双眼鏡なんか持ってなにやってんだ?」



そう静雄が問い掛けると、異様な光景を生み出している元凶の姉───沙良は、双眼鏡から目を離して静雄の方へと振り返る。



「バードウォッチング〜」



にへらともぽやぽやとも言えそうな笑顔を浮かべ答えると、沙良は身体を元に戻し、再び双眼鏡を覗き込んだ。
何かを熱心に民家と空の間を観察している沙良に静雄は首を傾げると、己もベランダに出てその周辺を眺めてみる。
しかしそこには、鳥らしいものは飛んでいない。



「・・・鳥なんていねぇじゃねぇか」

「いるよ〜?ほら、あそこ」



そう言って沙良は指を差す。
静雄はそれを追って視線を走らせると、少しばかり遠いがその先にある一本の電柱の頭に辿り着いた。
その上には、じっとこっちを見つめているように顔を向けている黒い鳥が停まっている。



「・・・・カラスか?」

「うん、そう。あの子すっごく美人だよね〜!」

「カラスが美人?」

「うん、美人だよ〜!特にあの子はね。他の子も何羽か観察したけど、あの子が一番美人だと思うの。少し顔を反らして俯いているときが一番綺麗だと思うわ。あっ!ほらっ!今なんか特にっ!!」



そう言って指差す手をぶんぶんと上下に振る沙良。
傍から見たらただの変質者にしか見えない。
彼女は世間的に言えば属に美人の部類だが、それでも家の二階のベランダで双眼鏡片手に民家を覗いているように見えるその姿は、一歩間違えればストーカーのようにも見えるだろう。

静雄は呆れ顔をしながら、カラスに視線をやる。
すると相当距離があるにも拘らず、カラスはその視線に気付いたのか、静雄と視線が合わさった。

───とっとと失せろ

静雄がそう念を込めて軽く睨んでやると、カラスはそれを察したのか一瞬びくりと身体を震わせ、その場から慌てて飛び立つ。
すぐさまその姿は見えなくなってしまった。



「ああぁ・・・・行っちゃった。もっと見ていたかったのに・・・・」



急にテンションが下がり、しょんぼりと項垂れる沙良を見て、静雄はひとつ溜め息をつくと、彼女の頭に手を伸ばした。
そしてそのまま頭をわしゃわしゃと撫でてやる。
すると沙良は慌てて静雄の手を退けようと腕を伸ばした。



「わわわっ、シズ君やめてっ!髪がぐちゃぐちゃになっちゃう!」



己とは違いふわりとした黒髪が妙に心地良く、その綺麗に整えられていた髪がばらばらに乱れることもにも気にせず、静雄は沙良の頭を撫で続ける。
それと同時に、焦りながら静雄の動きを阻止しようとする沙良のその慌てふためき加減が可愛くて、静雄は思わず吹き出してしまった。



「ぷっははははっ!」

「わっ、笑うなんてひどいっ!」



そんな遣り取りに頭を撫で続けながら静雄が笑っていると、静かな声が響いた。



「・・・・二人してベランダでなにやってるの?」



二人はその声に動きを止めて視線を部屋の中へと注ぐと、そこには無表情に立っている幽がいた。
それを見て、沙良は救いの神でも現れたかのように瞳を輝かせる。



「かっ、カー君助けてっ!シズ君が髪の毛めちゃくちゃにするのっ!」



そう少しばかり涙目にしながら訴えかける沙良を見て、幽は静雄に視線を寄越す。



「兄さん、姉さんが涙目になってるよ」



その一言に静雄は軽く眼を見開くと、慌てて沙良の顔を覗き見た。
すると案の定、瞳には涙が溜っている。



「わ、わりぃ!泣かすつもりじゃなかったんだ、だから泣くな。なっ?」

「う〜〜〜っ」

「だから泣くなって!」



涙眼のままじっと背の高い静雄を睨むように見上げる沙良に慌てふためきながら、静雄は必死に宥めようとする。
しかしどんなに言葉を投げかけても沙良の表情に変化は無い。
寧ろ悪化しつつあるそれに困りつつ謝り続ける静雄に、幽はひとつ溜め息を吐いた。



「そう言うならその手を退けてあげればいいんじゃないの?」



ぴたり。
的確なその言葉に静雄は動きを止める。
そしてじっと未だに沙良の頭に翳している己の手と沙良の顔を交互に見ながら、軽く首を傾げた。



「・・・もしかしてこの手が嫌なのか?」

「・・・うん」



こくり、と頷く沙良を見て、静雄は慌てて己の手を退けた。
途端に頭から重みが消えて、首が軽くなる。
沙良はそれにほっと一息吐いた。



「わ、悪い、気付かなかった」

「普通は気付くと思うけど」

「いや、姉貴の髪があんまりにも気持ちいいもんだから、つい」

「それは同感だけどね」



そう幽は静雄と言葉を交わすと、そのまま視線を沙良へと移して手拱く。



「姉さん、おいで。髪、整えてあげる」

「本当?嬉しいっ!」



沙良は幽の言葉に嬉々とした表情でその場から駆け出すと、ベランダから出ては幽の元へと近づいて行った。
それに静雄は少し淋しそうな顔をしたが、後ろを向いている沙良は気付かない。
沙良はその差し出された手を取ると、幽に促されるまま大人しく椅子に座った。



「姉さん、双眼鏡。もういらないよね?」

「あ、うん」



そう頷けば、再び差し出された幽の手の上に双眼鏡を乗せる。
幽はそれを受け取ると、櫛を取って来ると言って廊下へと出て行った。

沙良は幽を見送ってから、乱れた髪を軽く手櫛で梳き始める。
するとベランダの戸を閉めた静雄が、沙良の元へと近づいて来た。
それに気付いた沙良は、一瞬身体を硬直させて、慌てて頭を両手で押さえる。
静雄はそれに苦笑した。



「・・・もうやんねぇから」



だから警戒を解いてくれと困ったように言えば、沙良は渋々と言った具合に手を退けてくれた。



「シズ君に頭撫でてもらえるのは好きだけど、髪をセットしたあとに撫でてもらうのは困る」

「ん、そうか。これからは気をつける」

「本当に?」

「ああ。これからは風呂上がりあとくらいに撫でることにする」



そう言うと、沙良は一瞬目を点にして、小さく笑った。



「結局撫でるのはやめないんだね」

「今姉貴自身が撫でてもらうのは好きだって言ったじゃねぇか」

「うん、言ったけど。でもやめるっていう選択肢もあるんじゃないかな〜と思って


「それは嫌だ。俺は姉貴の頭撫でるの好きだから」

「ふふっ、ありがと〜」



ふにゃ、と嬉しそうに笑う沙良。
それを見ると自然と静雄の心は暖かくなる。
そのまま静雄は右手を上げると、また頭を撫でようとして腕を伸ばすが。



「・・・兄さん、それ以上姉さんの髪を乱したいの?」



その幽の一言に、止められてしまった。

突然掛かった声に沙良は驚くも、同時にその言葉の意味を悟って頭上に迫っていた手を確認すると、慌てて頭を抑える。
またきゅっと眉を寄せて、警戒してしまったようだった。

それを見て静雄はむっと眉根を寄せると、こちらへと近づいている幽に視線を寄越す。
沙良の脇に立った幽の静かなその瞳と視線を交えれば、互いの間に火花が散ったような気が、した。



「ふ、二人とも・・・?」



なにか不穏なものでも感じ取ったのか、沙良は戸惑ったように二人を交互に見上げる。
それに逸早く気付いた幽は静雄との視線を外すと、手に持った櫛を軽く掲げて沙良を見つめた。



「髪梳かすから、手、退けて?」



いつものように抑揚無く淡々とした声音だが、無表情のその瞳の奥はどこか優しい。
沙良はそれを感じ取ると、ふわりと優しく微笑んで手を退かした。

幽はそれに内心微笑み返しながら沙良の背後に回り、その髪に触れる。
さらりとその男性の割には細く白い綺麗な指先で髪を一房掴めば、それに軽く櫛を通しながら乱れた髪を整え始める。

さらりさらりと梳かれてゆく髪。
それを梳かす手つきはとても繊細で、心地良い。
一回一回丁寧に梳かすたび、幽の優しさを感じる。

それに沙良は微笑むと、幽に身を任せながら口を開いた。



「私、カー君に髪梳かしてもらうの好きだな〜」

「そう?」

「うん。だってカー君の手つきって繊細で、すっごく気持ち良いんだもの」

「ありがとう。姉さんにそう言ってもらえると嬉しい。なんならこれから朝のセットは俺がやろうか?」

「え、本当?それってすっごく嬉しいな〜!」



そんな遣り取りを傍から静雄は聞いていると、自然と眉間に皺が寄ってくる。
沙良の自分と幽との対応の差に不満を感じているようだった。



「姉貴、幽に贔屓してないか?」

「え?」



なにを言っているの。
そう言いたげに視線を寄越せば、静雄はじっと不服そうに沙良を見下ろした。



「幽には髪を触らさせても喜んでるのに、俺だと駄目なのはなんでだよ」

「だ、ダメじゃないよ?」

「じゃあなんで俺のときは頭をガードするんだよ」

「それは兄さんが乱暴にするからじゃないのかな」

「あ゛ぁ?」



静雄は凄むように幽を見ると、額に血管が僅かに浮かび上がる。
それに沙良はこのままでは喧嘩が起こりかねないと、慌てて口を開いた。



「あっ、しっ、シズ君の場合はカー君と違って頭を撫でようとするからだよっ!」

「さっき撫でられるのは嫌いじゃないって言ったじゃねぇか」

「で、でも髪に触るのと、頭を撫でるのはちょっと違うでしょう?」

「同じだろ」

「違うと思う」

「幽、手前ぇ・・・・」



横やり入れてんじゃねぇよ。
そうまた眉間に皺を寄せて凄むが、幽はそんなの知らぬとばかりに淡々と沙良の髪を梳いてゆく。
着々と髪が整えられていくのを沙良は髪越しに感じながらも、この状況は些か拙いのではないだろうかと慌てふためいた。



「あああのあのシズ君、怒っちゃダメよ?また物が壊れちゃうからっ!」



必死な形相で見上げる沙良を見て、ここは堪えねばと静雄は怒りを押さえ込む。
沙良を哀しませるようなことはしたくないのか、彼女のいる間だけは静雄は怒りを大分コントロール出来るようだ。
静雄は怒りが収まるように心中で鎮まれ鎮まれと呟きながら、深く息を吐き出す。
するとその怒りが少しばかり引いて収まって来たので、少し穏やかになった心で沙良を見つめると、口を開いた。



「でもやっぱ納得いかねぇ。幽だけ毎日姉貴の髪を触れんのはずりぃ」

「兄さん、大人げないんじゃないの?」

「るせぇな。大人げなくても別にいい。実質まだ大人じゃねぇし。兎に角姉貴の髪に触れんのなら、なんでもいいんだよ」



ぶつぶつと不服を申し立てる静雄は、拗ねたように不機嫌だ。
それが沙良には何故だが可愛く映ったらしく、先までの慌てようを崩してくすくすとおかしそうに笑った。



「シズ君、拗ねてるの?」

「・・・別にいいだろ、拗ねたって」

「うん、いいよ。だって拗ねてるシズ君、可愛いんだもの」

「それ、褒めてんのか?貶してんのか?」

「勿論褒めてるつもりだけど・・・・嫌なの?」

「・・・いや、褒めてんだったら、いい」



そうぶっきらぼうながらも軽く頬を染めて視線を反らす静雄に、やっぱり静雄は可愛いなぁと沙良は内心微笑んだ。



「じゃあ、こうしよう?これからは夜になったら私がシズ君の部屋に行くから、そうしたら頭撫でてよ」

「・・・ちょっと待って。なんで姉さんが兄さんの部屋に行くの?」



沙良が出した提案に幽は不満があるのか、今まで動かしていた手をぴたりと止めて、じっと沙良を見下ろす。
すると沙良はその淡々とした声音の中から幽の感情を読み取ったのか、軽く振り向いて幽を見上げた。



「だってさっきシズ君がお風呂上がりあとに頭撫でるって言ったから。だからそれでおあいこかな〜って思って」

「俺がいない間そんな話してたの?」

「うん」

「それって猾いよ。それなら俺も一緒に行く」



その一言に、静雄は顔を顰めた。
心底迷惑そうな、嫌そうな表情である。



「兄さん、そんな嫌そうな顔しなくてもいいじゃない」

「だってそうしたらお前の方が得するだろうが」

「濡れた姉さんの髪に真っ先に触れるんだからいいでしょう?あ、なんなら髪乾かすのも俺がやろうか?」

「お願いしてもいいの?」

「勿論」

「ちょっと待て。それじゃあやっぱり幽が得するじゃねぇか」

「そ、そんなこと言われても・・・・」



また拗ね始めた静雄に、今度は素直に可愛いとは喜んでいられず、沙良は困ったように顔を顰める。
しかし次には妙案でも浮かんだのか、笑顔で静雄を見上げた。



「じゃあシズ君が髪乾かしてくれる?」

「俺・・・か?」



静雄はその提案に驚いたように数瞬眼を瞬くと、少しばかり思案するような表情を浮かべる。
どうやら脳内でその光景をシミュレーションしているようだ。



「幽ほど巧くはないとは思うが・・・・それでもいいんだったら、やる」



そう静雄が肯定の返事を返すと、幽は小さく溜め息を吐く。
静雄はそれに眉を顰めると、再び髪を梳き始めた幽を見つめた。



「なんか文句でもあるのかよ?」

「別に。ただちょっと兄さんの方が得してるんじゃないかって思っただけ」

「お前だって朝髪をセットするんだからおあいこだろうが」

「でも兄さんの場合、姉さんが部屋に来てくれるんでしょう?しかも夜だから、時間制限も無い」

「それは・・・・」



少しばかり気恥ずかしそうに頬を染め口を濁す静雄だが、沙良はそんなことには気付かずに、幽を見上げてそんなことを気にしていたのかと思った。



「だったらカー君も一緒にシズ君のお部屋に行けばいいんじゃない?」



静雄はその言葉に眉を顰めるが、幽は静かな表情のまま沙良を見下ろす。



「俺も一緒に行っていいの?」

「私は構わないよ?」

「じゃあ兄さん次第ってわけだ」

「そうだね」

「兄さん、俺も一緒にお邪魔してもいい?」



そうこくりと首を傾げながら幽は静雄を見つめる。
静雄もそれを見つめ返すと、互いの間に沈黙が流れた。
暫くの間じっと互いを見つめ合っていたが、静雄はひとつ溜め息を吐くと、軽く肩を竦める。



「・・・好きにしろ」



幽のその眼力に屈したのか、それとも面倒臭くなって投げやりになったのか。
その辺りは定かではなかったが、観念したように静雄が呟くと、幽の表情は少しばかり嬉しそうに緩んだ。



「だって。じゃあ夜は皆でパジャマパーティーでもする?兄弟でだけど」

「パジャマパーティー!それって楽しそうっ!二人と眠るまで一緒にいられるのって小学校のとき以来だから嬉しいな〜。ねえシズ君、一緒にやろう!」



きらきらとした瞳で沙良は見上げる。
それに静雄は苦笑すると、そうだなと肯定の返事を返した。



「わぁ、楽しみだなぁ〜!今日から早速やろうねっ!」



そう嬉々とした表情の沙良を見て、静雄と幽は互いに微笑む。
こんな風に喜ぶ姉を見るのが二人とも嬉しいのだ。



「はい、姉さん。出来たよ」



幽は整え終えた髪から少し名残惜しそうに手を離すと、そう告げる。
それに沙良は振り向くと、ふにゃりと笑って御礼を言った。



「ありがとう」

「どう致しまして」

「やっぱりカー君は髪をセットするの上手だね。もうすっかり元通りだよ」

「そうかな。姉さんの方がもっと手際よさそうだけど」

「そんなことないよ」



幽と沙良が楽しそうに遣り取りをしていると、静雄はその場に立ったまま、じっと二人を見つめる。
それは自分だけ置いてけぼりを食らったかのようで、少し淋しく感じた。

静雄は考える。
なんとかその間に入り込めないだろうかと。
そして考えた末に、ひとつだけ思いつく。
二人の会話を壊して自分をその中に無理矢理ねじ込めばいいのだという、荒っぽい考えを。

静雄はその考えを実行しようと、沙良のすぐ側に近づく。
そして際に立ち軽く前屈みになると、正面から沙良の横髪の一房を掴んで口付けた。



「し、しししシズ君っ!?」



あまりに唐突過ぎるその行動に、沙良は頬を染めて慌てふためき、わたわたと静雄を見つめる。
それに静雄はしてやったりと内心ほくそ笑んで、にやりと口元を吊り上げた。



「こういう触り方は、嫌がらないんだな?」

「ふ、ぇ?」



なにがなんだか判らない沙良は、ただ戸惑ったように静雄を見返すしかない。
静雄もそれは判っているだろうに、そのまま軽く指先で髪を梳いてやると、耳元に唇を近づけた。



「こういった触り方なら、いいのか?」



低く囁くようにそう呟いてやれば、沙良はびくりと身体を跳ねさせる。
それを見た幽は軽く眉を動かすと、己も負けじと背後から髪の一房を掴んで軽く持ち上げた。



「そうなの?なら俺もこれからそうやって触ろうかな?」



背後から沙良のもう片方の耳に唇を寄せそう囁くと、幽もまた掴んでいた髪の一房に口付ける。
あまりに唐突過ぎる展開に、沙良は最早どうしたらいいのか判らず慌てるしかなかった。



「ちょ、ちょちょちょっ二人ともっ!?」



なにを言っているのか判りません!
そう耳元まで顔を真っ赤にしながらテンパった頭で沙良が悲鳴を上げると、静雄と幽はその場で一瞬眼を合わせる。
すると二人は楽しそうに笑い合って。










「「沙良、可愛い」」










そう互いに、囁いたのだった。
























「ふ、二人ともずるいっ!」

「なにがだよ?」

「そ、そんな耳元で名前を呼ぶなんて・・・!!」

「ああ、姉さんって耳弱いんだっけ」

「ゃ、カーくっ耳に息がっ」

「ふーん。姉貴って耳弱いのか。じゃあ、これとかってヤバイのか?」

「っ!!?」

「・・・兄さん、耳を噛むとか、変態臭いよ」

「るっせぇな。お前だって似たようなことやってんじゃねぇか」

「まあ、ね」

「もっ、もうやだぁ・・・ぁ!!」



*平和島兄弟は姉の可愛がり方を間違えているという件
そして姉は二人の声も最大の弱点だったりする二重の責め苦(笑
2010,5,18



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