突然の追いかけっこ
帝光中から転校して数日が過ぎたある日、
バスケ部の練習を見ていたら、女子バスケ部のメンバーが私を追いかけていた。


「どうして追いかけてくるの!?」
「待ちなさーい!!」
「いやー!!」


後ろからの声にさらにスピードを上げ、塀を飛び越えた。


Seys ?

彼女が塀を飛び越え見えなくなると、一緒に走っていたメンバーの一人が話してきた。


「本当にあの子を入れるの?」
「うん、珠李ちゃんは選手として有力だよ。」
「それは帝光中から転校して来たからっていうことじゃないよね?」


真剣な表情で見てくると私は頷く。
そして、携帯を取りだし電話を掛けた。


「あ、キヨ?もうそろそろそっちに来るから、準備しといてー。」



Seys珠李

なんとか集団を撒いた私は、走りまくった疲れで壁に寄りかかることにした。
すると横から汗だくの男子が私に話しかけてきた。


「こんなところでどうした?」
「あ、えっと…追いかけられてて…。」
「ふーん。そういやあんた、部活には入るのか。」
「………考え中。」
「そっか……、それじゃあ捕まえた。」
「へ??」


いきなり肩に手をのせられて、動揺するしかない私であった。



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