シュリのアトリエ
〜帝光国・
風の錬金術士〜

part4 (4/5)

「昨日来たばかりだけど、圧倒的な感じがする…お母さんだったら動かせるように作っちゃうのかも…」
「それは見ものだな。」
「そうですよね…って、うひぁ!?」


赤司さんが後ろから話しかけられたことにびっくりしてしまい、しりもちをついてしまった。
手を差し伸べられその手を取り起き上る。


「すまない、おもしろいことを言ったものだからつい答えてしまったよ。」
「あはは…私の母ならやりかねないかな〜と思ったので……私時間に遅れてないですよね?」
「心配はない。むしろ早い方だ。立話も疲れるだろう、ついておいで。」


そういわれて赤司さんについて行き、中央区役所の中に入って行った。
誠凛区より人が多く赤司さんについて行くことがやっとで、ようやく会議室に入ることができた。


「待っていたわよ。その子がこの国に来た錬金術士さん?」
「ああ、しばらく話をするからお茶の用意をしてくれ。」
「わかったわ。」


お姉言葉をしゃべる方に気を引かれていると、がたんと赤司さんが椅子を引いた音に我に返った。
急いで私も椅子に座ると、さっそく話が始める。


「改めて、僕は赤司征十郎。この帝光国洛山区の学生区長をやっている。」
「シュリュアーシェ・トルメンタです。気軽にシュリとお呼びください。」
「この昨日は急用ができてしまったこと申し訳なかった。早速だが、君の母から聞いている通り、君にはこの国でアトリエの仕事をやってもらいたい。」
「は、はい、応せつかまっておりますっ。」
「僕は君と同い年だ、そう無理に敬語を使わなくていい。」
「あ、そう…なんだね。えっと、アトリエをやるって言っても、ただ物を作っていけばいいものじゃないってお母さんに言われたんだけど…そうなの?」
「そうだね。君の母から定期事の依頼を受け取るようになっている。」


そして話によると、お母さんからの定期依頼をこなしつつ様々な区の個人依頼もこなして区からの信頼度もなくてはならない…一見難しそうに見えるが、最初の間は品質とか関係なくやっていい。
そういうことを聞いて少しほっとした。
話が進んだところで再びお姉言葉の人が来た。


「おまたせ。征ちゃん、ころ合いがよければ私もその話に入るけどいいかしら。」
「丁度そのころだ。彼は実渕玲央、洛山区の依頼受付と同時に僕の側近を受け持っている。」
「よろしくね、シュリちゃん。」
「よろしくお願いします。」
「それじゃあ話を進めよう。」


とりあえず進めた話は、母からいわれた期間は3年間。
まず1年目は各区ごとで行ってもらい、その後は帝光国の発展に携わる依頼をしてほしいとのこと。
もしできなかったら、フェブリエ村に帰ることを強制される。


「できなかったら強制退場…。」
「そこまで考えなくていいわよ。」
「君の母からの定期依頼はこちらから送ることにする。ちなみにこれが今回の定期依頼だ。」
「えーっと、今季は中和剤やゼッテル、研磨剤を納品…か。」
「納品物ができたらテツヤに渡すようにしてくれ。今季終了後に評価通知がくる。それを参考に時期の対応をするように。話は以上だが、何か質問はあるか?」
「とくにはないかな。」
「そうか、あとのことは誠凛区の区長に任せてある。それでは失礼するよ。」
「うん、ありがとう。」


赤司君が去っていったあと、実渕さんからこの国のことや学校のことを教わり、洛山区役所を後にした。



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