輝きのその下で

14話 (16/25)

「また…3:30:00。」
「う、うん。」
「…こんのすけ。」
「なんでしょうか?」


颯爽と駆け付けたこんのすけは先ほどと同じように表示された時間を見て
不思議そうに首をかしげていた。


「これは私めにもわかりません。いまだ姿を現さない刀剣たちがあなたに興味をお持ちなのでしょうか。」
「まあ主も歌うたっているのは確かだからね。それで主に興味を持ったのは普通ではないと思うけど…。」
「普通じゃないって言うのは否定したいけど、なんでまた私にって言うのは肯定だよ?」


俺たちの会話に主はツッコミを入れる。歌を歌っているのは知っているけど、主と同じ立場の審神者を見たことがある。
そんな中でも、この本丸のこの本丸の主を選ぶのは何か特別な何かを持っているかもしれない。
姫鶴さんと同じように、手伝い札での時間短縮は禁止されているため、鍛刀部屋を後にして暇を潰すことにした。
そんな中、姫鶴さんが縁に座り遠くを見てくすくすと笑ってる姿があった。


「姫鶴さん、何笑ってんの?」
「あら、変な姿をませてしまいましたね。もうすぐ私の知る刀の気配がしたから、」
「姫鶴さんが知ってる刀?」
「私がこの本丸に来たから、追って来たのかしら、ふふっ。」


空を見て笑うと立ち上がってどこかへ行ってしまった。
ここに顕現して一度も見せていない不敵な笑みを浮かべ目の前を通りながら。


「俺は竹俣兼光。紫電一閃の如く参上!よろしくな!」
「た、竹俣さん、お久しぶりです。」
「五虎退か、久しぶり。元気にしてたか。」
「は、はい。」


時間が経ち、鍛刀部屋を観に行くと一振りの刀剣男士が五虎退の目の前に立っていた。
どうやら五虎退と姫鶴さんが知っている刀剣のようで、子虎は足元にすり寄っていた。
おどおどしている五虎退を見て、目線を合わせるためにしゃがむと頭をくしゃくしゃと撫でる。


「元気だったなら何より!これからいろいろ教えてくれよな。」
「これは私からもお願いしますね、五虎退。」
「姫鶴じゃねえか、久しぶりだな。」
「ふふ、私を追ってきたのが目に見えますよ?」


さっきいていた独り言はこのことなのかと納得すると、新たな刀剣男士、[竹俣兼光]は俺の存在に気付き近寄ってくる。


「あんたは?俺は竹俣兼光だ。よろしくな。」
「ん、加州清光。この本丸の中で一番古株。わからないことがあったら、俺にきいてね。ああ、姫鶴さんもだよ。」
「承知してます。もう夕餉の時間は終わってますが、竹俣は何か食べますか?」


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