輝きのその下で

16話 (18/25)



こんにちは、姫鶴一文字です。
私がこの本丸に顕現して早数日が経ちました。

この前竹俣が壊してしまった炊飯器ですか?
ちゃんと買い換えましたよ。

この本丸では月一の給料制まだ顕現したばかりの私たちは主も仕方ないと言っていたので、
今回の件はチャラにしていただきました。
もちろん主にお返ししますよ。

数日経ってまだ未知数の力であるわたくしたち二振りは本丸の手伝いを主な仕事にしています。


「戦えない分、何かができるのはいいことですね。」
「姫鶴さんは人の体を得てうれしいですか?」
「もちろん。私が覚えている限りだと、五虎退も久方ぶりに会えましたし、
竹俣とも…それに、あのお方たちがなさっていたことができてうれしいんです。
えーっと、堀川さん…も、そう思うのでしょうか?」
「そうですね。僕も兼さん…僕の相棒の和泉守兼定とも久しぶりに会えて、
同じ新撰組の仲間たちとも会えた。それに兄弟とも会えたこと、とっても嬉しいです。」


堀川さんは向こうで面倒くさくもしっかり畑仕事をしている相棒の和泉守兼定を見る。
彼の兄弟である山姥切国広も一緒になって畑仕事に精を出していた。


「洗濯物はこれで終わりですね。籠は私が片付けますよ、
そのまま厨に行ってお茶と茶菓子入れてきます。
あのお二方も呼んで一休みしましょ。」
「いいんですか?」
「ええ。私と竹俣はまだ戦えない分、こういうことしかできませんから。
っふふ、心配しないでください、鍛錬は怠ってませんよ!」
「わっ!以外に力強いですね。」
「これでも私太刀ですから!」


空になった籠を持ち洗濯場に戻り籠を置いた後、
厨に行って内番の前に作った焼き菓子とお茶を淹れて持ってくる。
戻ってきたら和泉守さんと山姥切さんが縁側に座っていた。


「よう姫鶴の姐さん。」
「ちゃんと畑仕事はやりましたか、やってない方には茶菓子は上げられませんよ?」
「やったに決まってるだろ!」
「なんて、私も見ていたので休憩をお誘いしたのですよ。カマをかけたとも言いますね。」


そう言いながら持ってきたものを置いてお茶を渡す。
私もお盆にある湯呑を取り一息ついて、焼き菓子を一口放り込んだ。


「ん…美味しいな。」
「山姥切さんから言ってもらえると、嬉しいですね。」
「美味しいものは俺でも美味しいって言うさ。なんていうんだ。」
「ああ、この焼き菓子ですか?確か…《らんぐどしゃ》というそうです。
料理本にはその名前には、フラン…ス?というお国の言葉で『猫の舌』
というそうなんです。」
「猫の舌?」
「確かに、形が似てますね。」


料理本を見てこれなら簡単そうと思い挑戦してみたはいいのですが、
思いのほか、うまくいかなかったものも…。
少しずつでもできるようにこれからもいろんなお菓子に挑戦するのです!



【姫鶴一文字の趣味にお菓子作りが追加された。】


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