輝きのその下で

8話 (10/25)



審神者になってからというもの周りの同業者はおじいちゃんこと三日月宗近がいまだに来ないとか来たとか少しうるさく思えてきた。
秘宝の里はまだ続いているが数日前に最終ていた報酬である[物吉貞宗]を手に入れこれ以上玉を集めても報酬はないので鍛刀や出陣、遠征に明け暮れていた。


「さて、これで鍛刀は3回目、やりますか!」
「また三日月目当てかい?」
「諦めがほとんどだけどね。天下五剣はまだ三日月一振りしか情報がないしさ、まだ来てない刀剣もいるしさ、一期一振とか蛍丸とか小狐丸とか岩融とか」
「たくさんいるな。」


内心では三日月が来てくれればいいなと思いながら鍛刀をお願いする。
そして、表示された時間は

4:00:00


「え、」
「あ、」
「…あいええええええええ!!!」
「主落ち着け。」


4時間と表示され内心どころか行動まであたふたしているところ、
今日の近侍である鶴丸に手伝い札を差し出され、一気に野球の投球フォームで投げ込んだ。


「はあはあ…。」
「見事な投球だったな。」
「野球やってたんだよ…あまくみんっ、」


途端にそよ風が吹き一瞬目をつむってしまう。
閉じた目を開けてみるとそこには、待ち望んでいた刀剣男士が立っていた。


「三日月宗近。打ちノ除けが多い故、三日月と呼ばれる。よろしく頼む。」
「よ、三日月。」
「おお鶴丸国永か、先に来ておったか。」
「まあな、…で主は何してんだ?」


鶴丸は気軽に話している最中、私はずっと土下座をしていた。
もちろん、現在進行形で。


「其方が主か、」
「はいその通りでございます。」
「土下座したまま言うなよ、主だろ。」
「だって…だって三日月さんだもん丁寧に慎重に扱いたいもん。」
「はっはっはっ、表を上げろ。主よ。」
「はいっ!」


三日月さんの言葉通りに顔をあげ立ち上がる。
すると鶴丸に手を引かれ三日月さんの前に立たされた。


「鶴丸、すまぬが主と二人にさせてもらえぬか。」
「お、いいがここ(鍛刀部屋)で立って話すのも疲れるだろう。空いている部屋で話すといい。」
「あいわかった。」


三日月さんを連れて空いている部屋に案内して襖を閉め明かりをつける。
今の時間、夜も更けきっているため少し警戒をした。


「えっと、三日月さん話というのは…っ。」


お茶を出して私は置いてあった座布団に座る。
そのあとに三日月さんが座って本体(刀)を置いたとき、私は息を呑んだ。


「その顔…知っておるか。」
「…これでも多少は知っているのでね。」
「なら、俺の思っていることはわかるな?」


三日月さんの思っていることが分かったのは、刀の置く位置。
今置いてある場所は三日月さんからは左側。私から見て右側ということになる。
その位置の意味は、



『信用できない故、いつでも其方を斬る。』


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -