ゴリラと恋の片道切符 | ナノ


  優しいとげ


ーまったく自分の馬鹿さ加減にもイライラする。

レミはお客様に聞こえないようにため息をつく。
その後もまた下唇はきゅっと噛んで切り替えてグラスとワインを
テーブルへ運ぶ。
江戸でも5本の指に入るほどの有名店へと成長した元「スナック[すまいる]」
今ではきらびやかな店内に豪華なシャンデリア。
美しい夜の蝶と男たち。
店の奥にサテンのカーテンで仕切られたVIPルームなんて物もある。
有名店になったすまいるにはお忍びで来られるお客さんも増えた。
このVIPルームはそんなお客様に配慮したお部屋。
滅多に使われる事はないが今日は特別。

「失礼します。」

レミが一声かけてサテンのカーテンをくぐる。

「お飲物お持ちいたしました。」
「あら、レミちゃんありがとう。」

お妙が微笑む。

「おぉ!レミちゃん久しぶり」

お妙の横にいた男が微笑みかける。

「お久しぶりです。近藤さん」

お妙の熱狂的なファン

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