おれのようじょとおにいさま:リクエスト:彰子様


※ようじょ連載で,青砥くんとようじょがカップルだったら…という設定です.
IFストーリーとしてお楽しみください.



シェリアが可愛いせいで,俺は戸惑うことが増えた.

それもそのはず.

ようやく勇気を出して告白したらOKされたから,今まで見たことないシェリアのいろんな顔を見れる.

ここまで本当に長かった.

ロリコンじゃないのかと,自問自答を繰り返し,ロリコンでもいい!と判断した俺の頭は間違ってない.



「琢馬に…じゃないんだった,慣れなくてごめんね?」

「ま,まだ付き合って1週間だし…ちょっとずつ慣れればいいと思う」

「アリガトー」



待ち合わせて向かう場所は,シェリアの家.

そう,俺達の交際はまだ噂にもなってないし,三つ子の耳にも入ってない.

入れないように努力してきた.

それもそろそろ限界に近づいてきたこの頃,やっと報告しようということで俺も腹を括った.

…刺されないよね,俺?



「緊張してるんだ?」

「…そりゃあ,まぁ.あの,三つ子だし…シスコンだし」

「大丈夫だよ!いざとなれば,私が味方だもん!文句なんて言わせない!」



そうは言うけど,シェリアの一言はいっこいっこが爆弾みたいなモンだよね.

何言っても,恨まれるのは俺でしかないと思う.

竜持辺りは特にね.



「たぶんだけど,凰壮兄は気付いてるんじゃないかな〜っと私,思うの」

「何か言われた?」

「いや,直接は何も.でも,琢馬くんと出かける時にはそれとなく帰る時間とかどこに行くのかなんて聞かれたりするよ」

「それ完全に気付かれてるパターンじゃん」



あ,あぁ…奇襲というよりは,敵陣に単騎駆けするようなもんか.

そもそも事前にアポは取ってあるから,奇襲ってのも変かな?

ていうか俺,死ぬね.






「い ら っ し ゃ い」

「!」

「おや,どうしました?」

「竜持兄,私のエプロン勝手につけないで」

「すみませんねぇ,お茶の支度をしてましたので」



似つかぬエプロン(シェリアのらしけど)を身に纏った次男出たよ.

いきなりラスボスだね.



「虎太兄と凰壮兄は?」

「居間に今か今かと待っている状態ですよ」

「なにそれジョーク?竜持兄,ぜんっぜん面白くないから」



うわー…シェリアも結構酷いんだなぁ.

言い返せない竜持も,竜持だけど.



「青砥か」

「青砥だな」

「……ども」

「お兄ちゃんたち,なんでそんな格好なの」

「途中でサッカーしたくなるかもしれないだろ」



あれそれ,俺のこと遠まわしに蹴るつもり?



「俺は,一応…無理矢理だけど,まぁ,締め上げたくなるかもしれないし」

「何を締め上げるつもりなの!」

「いや,だから無理矢理…竜持に…」



俺のこと締め上げる気だ!

これは俺のことを締め上げようとしている.

こんなにも歓迎されない歓迎を受けるなんて…やっぱり悪魔.



「まぁ,余談はいいですよ.今日はわざわざ僕達を呼び付けて何のお話でしょうかねぇ」

「言わずとも内容が分かってる癖にそういう聞き方するとこ,意地悪いね」

「んなっ…なんです青砥くん!失礼な!」

「君こそご丁寧に俺以外にお茶出しといて何いってんの」

「…お兄ちゃん,こういうの良くないよ.姑みたい」



まさにそれ.

嫁いびりする姑みたいなスタンスだよね?



「ま,いいけど.実は,俺とシェリア付き合ってるんだ」

「「!」」

「あー…やっぱな」

「凰壮は気付いてたんだ」

「そりゃ,妹見てりゃ分かるよ.あんなに嬉しそうにデート行かれちゃあな」

「シェリア,そんなにルンルンだったの?」

「凰壮兄のばか!なんでそんな恥ずかしいことバラすの!」

「可愛い」

「た,琢馬くんってばも〜」



この3人だけなら,話はすんなりまとまったのに.

どこをどう見ても俺の事殺すって目で見てくる二人がいなければ.

ていうか,怖!



「たたたたくまくん?シェリアさん,違うでしょう?琢馬兄でしょう」

「彼女なんだから,兄って付けるのおかしいじゃない」

「…本当に付き合ってるのか」

「嘘付いてどうするの」

「嘘でも嘘じゃなくても許さない!」

「それ結局ただの我儘だろ…虎太も竜持も,落ち着けって」

「凰壮はどっちの味方なんですか!?」

「妹を取られていいのか!?」



おっ…喧嘩かな.

このまま仲間割れしろー.

勝手に進む話に,シェリアも俺も無言で眺めるだけ.



「俺も,それはまぁ嫌だけど…青砥だしな」

「青砥くんが何だって言うんです!」

「そうだそうだ!」

「俺らもよく知ってる奴だし,柄は悪いけど…根は良い奴なんだから…」

「何てこと言うんですか!見損ないましたよ!!!」

「待ってよ,凰壮兄は至極真っ当なことしか言ってないよ!」

「そんなことは分かってるけど納得できない!俺は認めないぞ」

「僕だって認めません.まだ交際は早いです」



お前らシェリアが結婚するんじゃないんだぞって,言いたい.

言ったら火に油だから,言わないけど.



「ところで,青砥.お前ロリコンなんだな」

「うるさいよ.シェリアが魅力的なんだからしょうがない」

「それはしょうがないな」

「だろ?」

「当たり前のことは論議しないで結構です!!!」



そこは認めてるんだ?

めんどうな悪魔だなー.



「琢馬くん,報告はしたからもういいよ.埒があかないもん」

「何言ってるんです!?駆け落ちなんてさせませんよ!」

「誰が駆け落ちするって言ったのよ!竜持兄も虎太兄も,めっ!ハウスしなさい!」

「凰壮も苦労するね」

「俺もホントならお前を殴ってやりたいけど,あの2人見てたらそんな気も失せる」

「凰壮になら殴られてもいいけど,あの2人に殴られたら俺たぶん倍にして返すから」

「青砥オオオオオ!上等だ,表へ出ろー!」

「虎太兄やめてったら!」



竜持はお玉で,虎太は素手でなんか奇妙な動きを繰り返す.

ホント,妹のことになると頭おかしいよね.



「もう,いい加減にして!」



今まで口でだけ反論していたシェリアが,席を立った.

そして,竜持からお玉をひったくる.

咄嗟の事に,誰もがシェリアを見上げて驚いた.

それはもう,一瞬のこと.



「この!(ゴンッ)」

「だっ」

「シス!(ゴンッ)」

「ぎゃっ」

「コンンン!!!(ガスッガスッガスッ)」

「ちょ,何で俺だけ連打!?俺味方じゃん!俺何もしてないじゃんんん!いでででで」

「シェリア落ち着いて」

「はー……聞き分けのないお兄ちゃんたちは,こうでもしないとわからないのよ」

「だからってお玉でぶつことないだろ.謝りなよ」

「琢馬くん…!?」

「俺は,暴力で解決するような子は嫌いだよ.ちゃんと謝る!」

「むぅぅうう…」



むくれるシェリア,うずくまる凰壮,ポカンとする竜持と虎太.



「…わかった,お兄ちゃんたち,いきなりぶってごめんなさい」

「よくできました.偉いね,シェリア」

「うんっ!嫌いになっちゃやだよ…」

「大丈夫だよ」

「琢馬くぅぅん!!!」

「さ,もう行こ」



シェリアはね,素直で良い子だから.

正論をぶつけたら,素直に謝る子だからね.

俺,その辺よ〜く理解してるつもり.

凰壮は,ドンマイとしか言い様がないけど,虎太と竜持のあの間抜け面.

吹き出しそうだった.



「な,まだ話は終わってないぞ」

「そうです!」

「まぁまぁ…今日は見逃してやろうぜ」

「凰壮ううううう!どけ!(ダァンッ)」

「あっちいってください!(バシィッ)」

「げっふぅッ…お,お前らホント容赦ないのな…」

「凰壮兄,ありがとー!お土産買ってくるねー!」

「じゃあね,オニイサン〜」



玄関出ればこっちのもん.

シェリアの手を引いて,逃げるが勝ち.

あ,何気なく手繋いじゃった.

役得だね俺.



「…ごめんね,お兄ちゃんたち」

「いいよ,想定の範囲内だったから」

「私と付き合えば,あんな風に絡まれるから…嫌じゃない?」

「うーん,鬱陶しいけど,シェリアも怒ってくれてるしね.お玉で殴ったとき,正直スカッとしたよ」

「あれはカッとなってつい」

「俺が殴ったらそれこそ何言われたかわかんないし,ありがと.でももう駄目だ」

「わかった,約束する…」



こうして俺とシェリアの絆は深まったから結果オーライ.

これからも三つ子に絡まれるのは必然的運命だろうけど,しょうがない.

乗り越える障壁もあれば,燃えるだろ.

…そういうわけで,せいぜいオニイサンたちには頑張ってもらおうかな.

せいぜい,これからも”僕とシェリアで”超える壁にでもなってくれればいいよ.



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リクエスト夢:8/10:青砥くん
ようじょifストーリー

リクエストありがとうございました.


※彰子様以外の方の持ち出しはお控えくださいませ.




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