この恋、きみ色
もう、心臓が破裂して死んでしまいそうだった。
目を瞑ったら視界が暗闇に覆われて、それだけでテネブラエのことを思い浮かべて赤面した。
魔物との戦闘後、テネブラエが珍しく心配そうに、傷をみせてくださいと言った。
それなりに血は出ていたけどたいして深い傷では無かった。(それに戦ってくれたのはラタトスクだ)
心配してくれたことがなんとなく嬉しくて、ありがとう、大丈夫だよ。と言えば、いつものからかったりするときに見せる笑顔とは違う、ほっとしたような笑みに見ほれてしまった。
あれからの自分はおかしい。
あの金色の瞳とかちあっただけで顔は熱くなってしまうし、声を聴くだけで心臓が壊れそうだ。
(ああもう、どうして?)
ベッドの上で寝返りを打っても、夜の闇は消えないままで、よけいに頬が熱くなった気がした。
この恋、きみ色
(きみ色に染まるこの恋心)
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