Let's チャレンジ?
テネブラエ擬人化です。
苦手な方はご注意ください。
はあ。
「エミル。どうかしましたか?」
ため息の原因である、エミルを後から抱きしめるようにして圧し掛かってくるセンチュリオンはどうどうとのたまった。
(僕のため息の原因、君なんだけどね…)
と言うわけにもいかず、また一つ、ため息をついた。
「あの、テネブラエ…重いんだけど」
「おや。まだまだ訓練が足りないのではありませんか?」
エミルの肩に顎を乗せているテネブラエを、睨むようにして言ってみても、効果は無い。
「もう、どいてったら」
「そうですねえ…」
テネブラエは突然ふと何かを思いついた様に笑みを浮かべた。
非常に嫌な予感しかしない。
そんなエミルの予感は、見事的中する。
「エミルから私にキスしてくださったら、どいてあげても構いませんよ?」
「なっ…!」
顔に血液が集中していく感覚。頬が熱い。
唐突な要求に言葉を失い、口をぱくぱくとさせたエミルにテネブラエはさらに続けた。
「それが無理でしたら…、私が満足するまであなたにキスをさせてください。」
「…、…!」
言葉が出てこない。
固まってしまったエミルを見て、何を勘違いしたのか、テネブラエはエミルの耳に唇をよせた。
「それは、私から好きなだけキスしていい、という事でよろしいですか?」
「ち、違っ…ひゃぁ!」
背後から耳に吹き込まれる囁きに反論しようとした矢先、耳にそっとテネブラエの唇が押し当てられた。
そのまま軽く耳を甘噛みされ、体が震えた。
「ちょっと待っ、て…んっ…」
唇が耳を離れたと思えば、それがうなじに触れる。
このままじゃまずい。
そう思った瞬間、エミルは思わず叫んでいた。
「き、キスするから!僕からキスするからちょっと止まって!」
渾身の力でテネブラエの拘束から逃れる。
顔を真っ赤にして、エミルはテネブラエを振り返った。
にこにこと微笑んでいるテネブラエ。余裕な態度が、何となく腹立たししい。
「さあ、どうぞ?」
「目くらい、瞑ってよテネブラエ…」
恥ずかしさから、顔をまともに見れない。
仕方ないですねえ、と目を瞑ったテネブラエに、おそるおそる顔を近づけた。
(あ、睫毛…ながい)
そしてそのまま、エミルは自分の唇を、テネブラエのそれに押し当てた。
「ん…」
すっとテネブラエの手が伸びてきて、エミルの後頭部を逃れられないよう抑える。
そのまま、テネブラエの舌がエミルの歯列をなぞり、逃げようとしたエミルの舌を絡め取る。
「んっ…んぅ、はっ…」
「エミル…」
解放された時には、すでにエミルの息は上がっていた。
テネブラエの好きなようにされてしまった事になんだか悔しさを感じて、エミルはテネブラエを涙目で睨みつけた。
「おや?そんな可愛らしい顔をして、どうかしましたか?エミル」
エミルのマフラーをほどいて取ると、テネブラエはエミルを座っていたベッドへ押し倒した。
「あ、あの…テネブラエ?ここ、宿屋だし、マルタやロイド達が…」
「すみません。エミルがあまりにも可愛らしいものですから」
ちゅ、と軽く触れるだけのキス。
「愛していますよ、エミル」
「そういうの、ずるいよ。テネブラエ…」
エミルは目を、ゆっくりと閉じた。
君が足りない
(もっと、もっと)
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