01


かすかに光と声を感じる。
何処だろう。少し肌寒い。
近くで何かを燃やす音が聞こえて、木の燃える匂い。

「ん…」

目をあけると、そこはベッドの上。
外には雪が降っている。

「ここは…?」
「おや、旅人さん、目が覚めたかい?」

声をかけてきたのは、宿屋のおかみさんだった。
どうやらここは宿屋らしかった。

「あの、僕はどうしてここに?」

確か、僕はコア化したはずだった。
…「死んだ」のかも、しれないけど。

「ああ、あんたはこの町の入り口に倒れてたんだよ。最近、急に雪なんかが降ってきてねえ。大変だっただろう?ちょっとゆっくりしておいき」
「は、はい。ありがとうございます。」

そういえば、雪が降っていたのが窓から見えていた。

「…砂漠?」

よく目を凝らしてみても、確かに地面は砂漠のように見える。
そして、視線をめぐらせた先にあった、看板に文字が書いてあった。

「『砂漠の花、トリエットへようこそ』…?」

ふと、予感がした。
それは何の予感かは分からない。
おそるおそる、おかみさんに聞いてみた。

「あの、今って・・何年でしたっけ?」
「今かい?確か―――――」

聞いた瞬間、頭の中が真っ白になったような感覚に陥った。


「う、そだ」

そう。僕は、

「今が…二年、前?」

過去へと、来てしまっていたのだ。

でも、ふと思う。
どうして、雪が降っているのか。
そして考えられる原因は、センチュリオン達が眠っているという事。

「(まさか僕が来たせいで…?)」

僕も「ラタトスク」であるのだ。
もしかしたら、この異常気象が起きているのが、センチュリオンが眠っているせいだったとすれば…

「(僕が、なんとかしなきゃ…)」


自分が何故ここにいるのかは分からない。
でも今は。

「…やれることを、やらなきゃ!」


一秒先は未来
(一秒過ぎたら、過去)



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