HAPPY BIRTHDAY '16
お祝いの言葉を終えて、軽いキスを何度か繰り返す。
そろそろ起きるか、と言った彼は、宣言どおりそのまま私の上へと覆いかぶさり、上下が逆転した。
「え、ちょ…疲れてるんじゃ」
「かわいいこと言うお前が悪い」
押し倒されて降ってきた口づけは先程よりも深く。
「はぁ…てつろ、」
いつの間にか服は乱れ、抜き去られた下着。首筋に舌を這わせながら大きな手で体を撫でられて、お腹の奥が疼き始めた。
「あ、あ…ん」
すでに滲むその液を指に絡ませ、ゆるゆるともどかしい触れ方を繰り返されて。
「腰揺れてんぞ。なに、物足んねぇって？」
「だ…っめ、だよ、指、痛いんでしょ」
今日の試合の後半、怪我をしたことを私が知らないとでも思うのか。
「バンソーコしてるし平気。それに、」
「…な、に」
「なまえが好きな指じゃねぇから安心しな」
「あっやぁ、！」
そう言いながら私の中へと入ってきたのは、一番長い指。
「好きなんて、言ってな…っあぁ！」
「奥がイイんだろ？丁度いいじゃん」
「ん、やっ」
鉄朗が指を動かすたびにぐちゅぐちゅと鳴る水音が耳を犯す。
「すげぇ濡れてる」
「恥ずかしいこと言っちゃやだ、あっ」
出し入れされる指が一本増えたと思えば、更に動きが速くなった。
「だめ、イっちゃう、からっ」
「イけばいいじゃん」
「や、っ…今日、は、鉄朗のでイきたい、っ」
「、っ！」
「も、シて、？」
「お前ね…どうなっても知らねぇぞ」
そう言って片手で口元を隠す彼の頬は少し赤くて。
「望み通り、くれてやるよ」
すぐに脚を引き寄せられ、そのまま一気に最奥まで貫かれる。
「ああっ！急、すぎ…っ」
「は、ぁっお前んナカ、すげぇ熱い」
余韻に浸る間もなくぐちゅぐちゅと抜き差しされる鉄朗の自身がいつもより固く大きいのは、きっと気のせいじゃない。
「ん、あっ！あ、あぁ！」
「っあー、えっろい顔…」
もう喘ぐことしかできない私を嬉しそうに見ている彼。
「鉄朗だってえっちな顔…っ」
「好きな女抱いてりゃトーゼン…だろっ」
「んあぁ、っ！も、気持ちよすぎて、こわい…っ」
「手、握っててやるから」
「ちゅーも、っして」
「…くっそ、あんま煽んな、っ」
すぐに降ってきた唇と荒々しく絡めとられる舌。噛みつくような口づけと激しくなる腰の動き。それでもお互いの身体は密着したままで、まるで彼が全身で私が欲しいと叫んでいるような。
「てつろ、…すき、っ」
酸素を求めて唇が離れた瞬間、昂ぶる感情のまま言うと。
「…っ」
一瞬泣きそうに歪んだ顔と、ぐっと質量を増したそこ。
「っもう加減できねぇ、…耐えろよ」
「え…っう、あ！やああ！」
繋いでいた手はベッドへ強く押さえ付けられ、更に腰を打ち付けられる。がくがくと揺さぶられる体は言うことをきかず、自分の喘ぎ声と打ち付けられる音で快感が登りつめる。
「…う、やべ、イきそ…」
「ん、っ私も、イく…っ」
「…っはぁ、出る」
「や、あ！あぁ、っ」
お互いの体が大きく跳ねた。
薄い壁越しにビクビクと震えるソレを敏感に感じとりながら、落ちそうになった意識を総動員してもう一度「鉄朗、大好き」と伝えた。
薄れていく意識の中で「…愛してる」と聞こえたのは、思いがけない彼からのプレゼント。
心も、体も
(私が嬉しくなっちゃうなんて)
(は？俺の方が嬉しいっての)
黒尾さんHAPPY BIRTHDAY!!
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