今までも、これからも
まさか、本当にすぐだなんて
「松川、ちょっと待っ、」 「んー?」 「ひゃ、あっ」
意気揚々と放課後デートに出かけたものの、街中で急な土砂降り。一瞬で過ぎ去った夕立だったけれど、制服がびしょ濡れになるには十分だった。
とりあえずとそこから近かった松川の家に行くことになり、家に着いてお風呂を借り、松川の服を借りて彼の部屋へ。 今日はのんびりおうちデートかな、初キスくらいはしちゃうのかもなんて思っていたのに、まさかこんなことになるなんて。
「ね、待って、」 「なんで?」 「だって、家に誰もいないなんて聞いてないっ」 「言ってねぇもん」
私の後にお風呂から戻ってきた彼にすぐ後ろから抱きしめられて、首筋にちゅっちゅっと軽いキスを落とされる。 くすぐったさに身を捩りながら静止の声をかけても止まる気配はなくて。
「やっぁっ、」
うなじをぺろっと舐められて、思わず声が出る。
「…なあ、ほんとに嫌だったら、今マジで抵抗して」 「、え?」 「ちょっと味見くらいに思ってたんだけど、これ以上してたら止まんなくなるわ。自信ある」
そのまま首筋に顔をうずめて、ぎゅうっと抱きしめられた。
「…まつかわ」 「うん」 「一回、離して」
鼓動がおさまらないまま言うと
「…悪い、やっぱ早かったな」
そっと腕が緩められ、体が解放される。
一つだけ深呼吸をしてすぐに彼の方へ向き直り、今度は自分から抱きついた。
「…なまえさん?」 「…早いなんてこと、多分ない。私がどれだけ前から松川のこと好きだったと思ってるの」
抱きついたまま松川の顔を見上げて言うと、一瞬ぽかんとした後少し頬を染める彼。
「…敵わないな、どうにも」
言うが早いか、降ってきた唇。
「ん…っ」
触れるだけの口付けが一度離れたかと思えば、次いで舌が捩込まれる。
必死で応えているとふっと体が持ち上げられ、背中ごと着地したのはベッドの上だった。
「もう止まんないから」 離された唇が耳元へと動き、低い声で囁かれる。と同時に松川の大きな手が身体に這って
「…ん、やぁっ、」
ぶかぶかの服はするりと彼の右手の侵入を許して、すぐに胸へとたどり着いた。長い指で突起を弄られ甘い声が漏れると、空いている手で顎を固定され、
「なまえの声、かわいくてヤバイ」
唇が触れそうな距離で囁く松川。 途端に恥ずかしくなり片手で口を塞ぐと、両手を括り上げられ左手で固定され、胸を突き出す格好で体が晒される。
「やだ、っこれ恥ずかしい」 「だーめ。見たいし聞きたい」
言葉通り目を鋭く見つめられたまま胸に舌を這わせる松川の姿に、ゾクゾクと背中に快感が駆け上る。
「や、まつかわ、っ」 「大丈夫だから、そのまま感じてな」
快感から逃れようと身を捩って訴えても、彼の動きは止まらない。突起を甘噛みしつつ器用に話す彼の吐息さえ気持ちよくて。
「ふっ…あっ」
両手を押さえつけられたまま突起に軽く歯をたて、吸い上げ、同時に舌で優しく尖端を舐めとられる。
「あぁっ…んっ、やぁ」
与えられる快感の大きさに唇をかみ締めていると、ゆるゆると腰を撫でていた手がショーツに滑り込んでくる。 くちゅりと音をたてたそこに指を押しやり、長い指の先端だけを埋められ、次いで親指で突起を押しつぶされて
「!…っん!はぁっ、」 「ここ、すげーな」 「やぁ…っ」
跳ね上がる身体を松川の胸板で押さえつけられながら手の拘束を解かれ、同時に下着が足から抜きさられた。
行き場をなくした手はシーツを握ることしかできなくて。快感に耐えていると、彼の指が徐々に奥へと進んでくる。
「なあ、どこがイイ?」 「わかんな、いっ」
グイグイと押し付けるように膣内を進み、突起をぐちゃりと撫で上げられる。 私は答えてもいないのに、松川の指は確実に気持ちいいと思うところばかりを責め上げてきて。
「んっ!や、やだっ、あっ…!」
つま先まで力の入った足がビクビクと震え、涙があふれて視界が滲む。もう泣きそうな声で喘ぐことしかできなくて、頭が真っ白になっていく。 「ん、ここね。覚えた」 「はっ、…はぁ、」 「じゃあもう一回な」 「え、…?!やあぁっ」
一度達したくらいでは許してくれない松川の容赦ない責めに、ベッドに背を押し付け必死で耐える。 彼の胸に手を当てて押しても離れてはくれず、抵抗を試みるも力が入らない。
すぐに訪れる二度目の波に、攫われるように堕ちていく。
はぁはぁと息をつきながら流れる涙をそのままに天井を見上げると、視界と唇が奪われた。
「なまえ、まだイってるとこも見てたいんだけど俺も限界…いい?」
そう言う彼の顔に、先程までの余裕は見えなかった。 私の膝の裏に手を宛がって足の間に入り込み、自身をそこへと押し付けられる。
くちゅりと挿しいれられた先端部の質量に、思わず喉がこくりと鳴った。
「…ん、大丈夫。松川のものに、なりたい」 「…あんまり煽りなさんな」
まだ少しぼーっとする頭だけれど、本心を告げると。先端部分だけを擦るように動かされ、その動きをそのままに松川の舌が差し込まれる。
歯列をなぞり上顎を舐めて舌を捕え、口端から零れる唾液を舐め取り、口内のすべてを蹂躙されて。
そして、意識が下腹部から逸れたと同時に奥まで一気に突き刺されたソレ。
「っやぁぁ、!」 「うわ、狭…」
瞬間大きく跳ねた私の身体を抱きしめてくれた彼は、唇は触れ合いそうな距離を保ったまま律動を始める。
「んあ、っ松川、あ!」 「なまえ、っ名前、呼んで」 「ふ、あっ…い、っせぇ…!」 「あーやばいな…、」
彼の眉が切なげに細められたかと思えば、ガクガクと激しく揺さぶられる身体。
「や、ちょっと、まって…!」 「待てないって言ったろ…っ」 「ああ!やだ、またイっちゃ…」
激しすぎる腰の動きと、それに連動するようなグチュグチュと耳を侵す結合部の厭らしい音に、体が限界を告げる。 「ん、いいからイきな」 「ふ…っ、一静、すき…っ」 「…っソレ反則、っ」
この期に及んで優しい彼に精一杯の気持ちを告げると、更に早まる動き。
「あ、もうだめ…うあっあ、!」 「なまえ、俺もイきそ…、」 「んあ、ああっ…やぁっ!」 「……はっ」
一静の切なげな声が聞こえた瞬間、お腹の奥がきゅっと締まった。
「は…、ん…」 「…お、意識ある?」
一瞬飛びそうになったなんて言わず、まだ少し息の荒い彼の首に腕を回す。
「こら、後処理できねぇぞ」
なんて嬉しそうに言いながら、軽いキスを落としてくれる一静。
「いいもん。だからぎゅってして」 「いいけど、俺なんならこのままもう一回いける」 「…え?!」
がぶ、と軽く首筋に噛み付いてくる。
「…花巻くんの言ってたこと本当だったんだ」
甘い空気がまた色っぽく変わる直前に一静が吐いたのは、私にとってとびきり嬉しい言葉だった。
それもあるけど、 (俺がどれだけ前からなまえのこと好きだったと思ってんの) (え…) (…ま、答え合わせは後からな) (、あっ)
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