甘い嫉妬心





うちのバレー部は仲がいいと思う。特に三年は選手3人にマネ2人、苦しい時代もずっと一緒にやってきた結束力がある。

そんな中、俺が一度心折れたときも、ずっと支えてくれてたなまえを好きになったのもごく自然なことだった。自他共に認めるヘタレだからなまえには好きだとかは言えなかったけど、まさかのなまえからの告白に、俺はすぐに頷いた。



今日も今日とて部室に向かうと、他の部員たちと仲よさそうに話す彼女の声が聞こえる。

「ほんとなまえさんは天然ですね」
「えー?どこが?」
「影山失礼だぞ!」

影山や日向と話し、楽しそうに笑う彼女。仲がいいのは良いことだけど、扉をあけるといつもより大きなジャージを着ているなまえがいて、「今日ジャージ忘れちゃって。影山に借りた!」と言った。

わかってる。影山もなまえも悪くない。ただ、仮にも俺の恋人なんだから俺に言えばいいのに、なんて思って、ため息を吐いた。



部活を終えて着替え、誰もいなくなったのを確認して部室の鍵を取り出す。本来ならいつも大地がやるんだけど、今日は早く帰宅しなければならないらしく、俺に役目が回ってきた。



「旭!かえろっ」


外で待っていてくれて、笑顔で声をかけてくるなまえ。肌寒いのか、制服の上からまだあのジャージがかかっている。

俺はなまえの手を握ると部室に連れ込んで、中から鍵を閉めた。


「…旭?」
「…なまえが、悪いんだからな?」
















「ふっ、旭…やぁっ」

部室の畳になまえを押し倒し、服を脱がさないままでなまえの体を弄る。最初は抵抗していたけど、「悪いけど、今日は言うこと聞いて」と耳元でいうと、その抵抗も止んだ。

「ん、う…あっ」

ちゅ、と首筋に吸い付きながら、空いた手でスカートの下からショーツを抜き取る。割れ目を指でなぞれば、纏わりついてくるぬるっとした液体。

「なまえ、もう感じてた?」

ふと彼女を見下ろせば、顔を赤くして両手で自分の顔を隠している。あ、可愛い。なんて、なまえの耳元に顔を寄せて言ってやる。

そして彼女の中に指をねじ込めば、びくっと体を跳ねあがらせた。

「あっ、あ! 旭、私、何かした?んあっ」
「…べつに」

聞かれて俺は誤魔化すようになまえに口づけた。あんな小さな出来事に嫉妬しただなんて言えないし、知られたくなかったから。

中を抉るように擦ると同時にひたすらなまえの唇から舌を絡め取る。くぐもった声を飲み込むように角度を変えて犯してやれば、なまえは苦しそうにうっすら目を開けた。

「はっ、ん、うぁ…あさ、ひっ」

なまえは呼吸も切れ切れに、俺の背に手を回してくる。少し驚いて指の動きを止め彼女を見下ろすと、その目がしっかり俺を見据えていて。

「なまえ?」
「私、なんか怒らせること…した?」

ふ、と悲しげに笑うなまえに、顔に熱が集まる。惚れた弱味ってやつだ。俺は意を決して口を開く。

「逆、だよ。好きだから…なまえが他のやつと仲良いの見て、嫉妬した」

そう静かに言えば今度はなまえが目を見開いて驚いていて。でも次にはまた優しく笑い、俺を強く抱き締め直す。

「嬉しい……」
「え?」
「私ばっか好きだと思ってた」

はにかむように言われたその言葉に、俺の欲が限界を迎えた。

「なまえ、ごめん。最後までさせて」

そうして彼女の中から指を抜き、代わりにそこに自身を埋めていく。

「ふぁ、んああっ」
「はっ、なまえ」

奥まで入りなまえを見下ろせば、なんとも妖艶な顔で俺を見上げていた。

次いで律動を始めれば、部室に卑猥な空気が流れ、腰を打ち付ける音と彼女の喘ぎ声が響く。

「や、んぁっ、あぁあっ」
「っ、締め付けすぎ、ふっ」
「あ、あ、…だって、きもちいい、っ」

背中に回されていた手がぎゅっと俺の服を掴み、なまえの額にじんわりと汗が浮かぶ。それを手がで拭ってやると、嬉しそうに目を細める彼女。

「もう、可愛すぎ…、」
「あっん!今そんなこと言っちゃ、やっ」
「無理…なまえ、っ好きだよ」
「やああ!だめ、いっちゃ、ああ…っ」
「…んっ」

なまえのあまりの急な締め付けに、俺も欲を吐き出した。









情事後の帰り道、俺もなまえも恥ずかしさから何も言わずに、でも手を強く握って歩く。すると彼女からゆっくり出された言葉。


「旭、私ね」
「…うん?」
「嫉妬させたこと謝らなきゃなのに…嬉しかった。ごめんね」


ああもうどれだけ可愛いんだろう、と俺は彼女を抱き締めた。


「なまえ、好きだよ」


なんて、単純な言葉しか返せないけど。





もう不安にさせないよ

(あ、またジャージ忘れた)
(なまえさんに貸すと、旭さんにしわくちゃで返される)
(なまえ俺が貸すから!ごめん影山!)


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