ライオン




着信:田中龍之介


「もしもし!おはよう!」
「…おはよう」
「なんだ元気ないな!」
「…いま、6時…」
「俺これから朝練!また後でな!」


ちくしょう、学校行ったら殴る










ーーー


「おいハゲ」
「おうなまえ!おはよう!」
「朝6時に電話とは何事か。睡眠不足で肌が荒れたらどうしてくれる。」
「大丈夫!なまえはいつでも可愛いぜ!」
「うぜえ」



私と龍は、いわゆる悪友のような恋人。友情とか愛情とかを通り越したような関係な気がする。


「しゃーねーだろ!朝イチでなまえの声聞きたいんだよ!」

と、えらく可愛いセリフを言ってくる。が、


「昨日、何時まで電話してたと思ってんの?」
「確か2時くらい?」
「でしょ。別に龍と話すのは楽しいしいいけど、さすがに眠いわ!」
「そんなこと言ったってなー。名残おしくね?」

毎日学校で会っているのに、どういうことだ。龍は意外と甘えん坊みたいだ。そんなことを考えてたら、彼の決定的な一言。



「だって、おはようからおやすみまで、毎日一緒がいいんだよ!」
「LIONか。」

どんだけ昔の口説き文句使ってるんだ、と思わず突っ込んだ。
それでも、こんなバカな龍が好きな私も相当バカなのかなと自嘲した。



まったく、しょうがないから今夜も付き合ってやろう。






俺と暮らしに夢を広げよう!

(だからLIONかって)
(美しい明日をつくる)
(だからアンタさ)


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