休息は、君




土曜日の夕方
着信:菅原孝支

「孝支くん?どーしたの?」
「今部活から帰ってきたんだけど、親が旅行行っててさ…お腹すいた」

そこまで聞いて、今日は余程疲れてるんだと思った。
普通だったら孝支くん自分でごはん作れるもんね。しかもめっちゃおいしいやつ、むしろ私が作るよりおいしいしああもうお嫁にきてほしい、なんて一瞬のうちに考えたけど


「じゃあ今から作りに行くね」


電話を切ってすぐに準備する。いつも甘やかしてくれる孝支くんが、こうしてたまに甘えてくれるのは嬉しい

途中でスーパーに寄って、一駅くらいの彼の家へ。お母さんが家にいるときも緊張するけど、二人きりとなると尚更。



「いらっしゃい。ごめんな、急に」
「おじゃまします。暇してたし大丈夫だよ。すぐ作るね、キッチンお借りします!」



シャワーを浴びていたんだろう、ふわっとしたいい香りとまだ渇ききってない髪。妙に色っぽくて胸の奥がどきんと鳴った

彼が髪を乾かしてる間に、急いでごはんを作る。急だし、簡単なものしか作れないけれど



「うわ、うまそう。いただきまーす」
「そうかな、自信ないけど召し上がれ」
「…うまいよなまえ、まじで」



口一杯におかずを詰め込んで飲み込むと、明るい笑顔を向けてくれる。よかった、いっぱい食べてね、と笑い返して彼を見守った。



「あー、うまかった。ごちそうさま!ありがとな」
「ううん、こちらこそ綺麗に食べてくれてありがとう!」


自分の作ったごはんを好きな人が食べてくれるなんて幸せだな、と思いながらお皿を片付けた。


「じゃ、あたし帰るね」
「え、帰んの?」

まったりしている孝支くんが振り返って吃驚した顔で聞き返す。だって、いっぱい練習してお風呂入ってごはん食べたら、もう眠いでしょう?けれど、


「うん、私がいると休まんないでしょ?」
「なまえがいないと休まんないよ」

そう言ってふわっと笑うから、おとなしく捕まることにした。













もう暗くなりきった窓の外。それでも電気はつけずに、孝支くんの部屋でふたり抱きしめあって寝そべる。既に終えた一回目の行為のせいで躰がまだ少し火照っていて、部屋にはまだ熱気がこもっている気がする



「なまえ、家に連絡、した?」
「うん、大丈夫。友達のとこ泊まるっていった」
「そっか。じゃあ…」


今の今まで私の頭を優しく撫でていた手が頬にずれ、斜め上を向かされる。お互いの唇が触れ合いそうなぎりぎりの距離で、


「もう1回、いい?」


なんて、いつもより低めの声で言われてしまったら、もう戻れない。こくりと頷くと待ってましたとばかりに唇を押し付けられ、彼の薄めの舌が口内に浸入してくる。


「…っ、ふ、」

ちゅく、ちゅ、と聞こえるリップ音に、



「あ、もうやらしー顔になってる」


唇が離れた途端にクスリと笑いながら落とされる彼の言葉。そんなこと、と言い返す前に、



「や、んっ孝支く…っ」


彼の舌が今度は耳へと、時々唇で噛むように。くすぐったいような快感に悶えていると、彼の右手がやわやわと私の胸を揉みしだいてくる


「ふっ、んん…」
「かわいいよ、なまえ」

耳元で聞こえる甘い台詞に翻弄されていると、孝支くんの頭が下へと下がっていき、今度は胸の飾りを直接口に含まれた。



「あっ!ん、はぁ…っ」

ぬるぬると口の中で転がされるソレに意識が集中するも、右手でも反対側の飾りをくりくりと弄り出されて、私は孝支くんの頭を抱えるようにしてその愛撫に耐える。



「孝支く…ん、や、そこばっか、だめ、ぇ」

襲い来るもどかしい快感に耐え切れずにそう言うと、彼はまたクスリと笑い、


「ここだけじゃダメ?じゃ、どこ触って欲しいの?」
「やぁ…いじわる…っ」
「はは、ごめんな。それじゃ、これでいいかな?」


とくすりと笑って、間髪入れずに指を二本捻じ込まれる。


「ああっ、んあ、あっ」
「すげえ濡れてるべ、なまえ」
「やあんっ」


態とぐちゅぐちゅと音が聞こえるように指を動かす彼


「1回イっとくか?いいよ、ほら」
「あ、っだめ、だめ、イっちゃ、…あん!」
「ん…めっちゃ締まる」


孝支くんが弾みを与えてくれて、私はあっけなく達してしまう。なんとか呼吸を整えるも、彼が枕の下に手を入れ、カサ、とソレを取り出すと、これから起こる快感への予測に身震いが止まらない。


「一回出したのに、やっぱなまえ相手だとダメだなー。何回でも勃つ気するわ」


冗談めかしてそう言うけれど、孝支くんの目は真剣で。一寸の間の後、充てがわれたそこから、ぐっと彼が腰を進めた。


「うわ、きつい、な」


イったばかりの私のナカに、指より質量の大きなソレが浸入ってくる


「あ、っああ!」
「ん、いい声」


あまりの快感に思わず腰が引けたけれど、それを許さないとばかりに彼が腕を私の脚に回し、ぐいっと引き寄せる。
いきなり奥まで届いたソレに「やあぁ、っ」と叫ぶしかできない私。


「あー、やべ。気持ちよすぎてすぐイきそう」


腰をぐちゅぐちゅと揺らしながらそう言う孝支くんの顔はなんだか切なそうで。

「孝支く、んっ、キス…して、」と言うとすぐにその身を倒し、噛みつくような口づけをくれる。


「ふぅ、んんっ、ふっ」
「は、あ…っ」
「やっ、ん、!っは、ぁもうダメ、またイっちゃ、うよぉっ」
「う…は、ぁ、なまえ、俺もイきそ、」


唇がくっつくくらいの距離のまま、隙間から声を発する私達にせり上がってくるのは、ただただ快感。



「うぁ、やべっなまえ、イく、っ」
「ああ、あっう、あっあっ」
「っあ、…!」
「あぁーっ、あ!」


孝支くんの熱が解き放たれ、私もすぐにこの身を痙攣させた。















「大丈夫か?」
「うん。大丈夫」

情事後、孝支くんが腕枕してくれる。その温もりが愛しくて、

「孝支くん。大好き」と言うと、すぐに俺も、と返してくれて、額に口付けが落とされた。






休息に、なってる?

(でもあんま煽るなよ。俺本当にまだ勃つよ)
(っ…)


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