菅原くんのお悩み相談室




「菅原くーん」
「お、今日はどーしたなまえ」
「テストがわるかった…」


私は何かあるとすぐ菅原くんに会いに行く。あの優しい笑顔と声に癒されたいのだ。更に言えば、なにか悩んでたら意外とびしっとアドバイスをくれるから心強い。というか菅原くんに会いに行く理由なんてあげたらキリがない。なんせ長い片想い。ああ今日も大好きだ。



「よしよし、テスト勉強がんばったのになあ」
「うん…追試だって」
「わかんないとこあったら教えてやるから、元気だしてな!」



太陽のようなあの笑顔で、頭を撫でてくれる。ああもうかっこいい。かわいい。元気でました。



「お、またなまえはお悩み相談室にご来店だな」
「うるさいよ大地くーん」
「あはは」
「最近なまえ以外にも大繁盛だもんな」
「えっそうなの?」
「なんか気づいたら相談されてるんだよなー」
「スガの答えは的確だもんな。スガ、先部室行ってるぞ」
「ん、すぐ行くよ」
「………」





菅原くんはモテる。きっと人柄だろうけど、常に周りに人が集まっている。


(そっか…そりゃ私以外にも寄ってくるよね、)



「なまえ?どした?」
「ん…なんでもないよ、大丈夫」
「じゃあ何で、目に涙ためちゃってんのかな」
「…なんでもないもん」
「こーゆうときは相談してくんないの?」
困ったように菅原くんが笑う


いつのまにかみんな下校してしまっていて。こんな中で泣きかけてたら気まずくなっちゃう、私のばか、と自分で自分を毒づくも、潤んだ目は乾かない。





「ねえ、なまえ。俺の悩みも聞いてくれる?」
ふいに菅原くんが言った。


「え、菅原くんもなんか悩んでるの?」
「好きな子にね、笑ってほしいんだ。」



うわ、まさかの恋愛相談ですか?どうしよう。これは本当に泣いてしまいそう
なんとか「そっか」と言って、顔を伏せる私に菅原くんが言葉を続ける。



「だからさ、なまえの笑顔が見たいんだけど。」


(え?)

今の菅原くんの言葉がすぐに理解できなくて、とりあえず顔をあげた私に、


「好きだよなまえ。だから笑ってくんないかな」


優しい顔で君が言うから、


「ふ…っ」
「なんで泣くの」


笑えなんて無理だよ菅原くん。人って嬉しすぎるときも泣いちゃうんだよ。と思ったけれど、まずはそれより先に。


「菅原くん、だいすき…っ」
「俺も。だいすき」


そして菅原くんは、やっと笑ったな、ありがとう、とまた頭を撫でてくれて。安心して更に笑顔を返せた。






優しい彼が続けた

(でも泣いてるとこもかわいいね。襲いたくなる)
(えっ)


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