星の時計台 | ナノ
LOVE PHANTOM〜それが恋と気づかずに〜1


『二人がステージを歩くところを見るのが、あたしの夢なの』


弱々しく微笑んで、君はそう言ったね。

先天性の心臓病を持っていて、子供の頃から入退院を繰り返していた君。
それなのに、君はいつも俺達兄弟のことばかりを気にしていた。



『あたしの病気は治らないから……二十歳までは生きられないだろうって、お医者さまにも言われたの』

ドナーが見つかれば手術で治せるけれど――‥そうつけ足して俯いた君の姿が忘れられなくて、たまらなく愛しさを覚えた。

君は俺の従姉妹で、妹のように思っていたし……君が喜ぶなら、本気でショーモデルになれるように努力し続けた。
そのささやかな夢を夢のままで終わらせたくはなかったから。






――‥神様、どうかお願いです


出来るなら彼女を助けて下さい


それが無理なら、せめて後少しだけ……

もう少しだけ、






LOVE PHANTOM
〜それが恋と気づかずに〜


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