堕ちてしまおう?


和菓子を一緒に食べないか?

アカデミーでも目立つ髪色と容姿をしているくせに、目立つ事が嫌いな大人しい彼が日本フリークというは彼の友人だったら常識だ。彼が人気者だったらアカデミーの常識だっただろう。しかし残念なことに彼に友達と呼べる関係の人物は少ない。だから知る人ぞ知る情報だ。
日本に関係することでの誘いに彼は絶対乗る。
そんな彼を部屋に招いたのは1時間前。

目の前に並ぶ練りきりに目を輝かせ「これ本当に食べてもいいの?」という彼に緑茶を差し出しながら笑顔で頷いたのが55分前。

練りきりを食べ終え彼の日本についての質問に答えていたのが30分前。

緑茶に入れた媚薬が効き始めたのが20分前。

そして今、彼…イワン・カレリンは息を荒くし、落ち着けようと深呼吸をしている。

まさかこんなにうまく行くとは。

「イワン…どうしたの?和菓子、美味しくなかった?」
「あ、いやそんなことないよ…甘くて凄い美味しかった。緑茶にもあってて…」
「でも、汗かいてる」

和希はイワンの横に座り心配を装い背中に手を置いた。それだけのことなのにイワンの体はビクリと揺れる。
一見心配そうにしているが、和希はイワンの様子がおかしい理由を知っている。自分が盛ったのが原因だ。イワンの戸惑う姿が可愛いくて思わず顔がにやけそうになる。可愛い、体が少し震えている。

「っご、ごめん!ハ…っちょっと、部屋…帰るね…」
「帰るって、そこそんなにしといて?」

当てられた手のひらから意識を逸らせようとしているイワンを嘲笑うかのように和希は背中に置いた手で腰を撫でた。

「あっ…」
「イワン、解る?ちょっと勃ってるの」

たまらず声を上げ自分の体に何が起こってるか解ららないイワンに和希は構うことなく体を密着させて耳元で囁く。囁く時の呼気にすら刺激を感じるのかイワンは身をすくめた。

「ゃ…やだ…なん、で…嘘…」
「嘘じゃないよ。触ってみて、ほら」
「ひあ…み、耳っやだ…みみやめて」
「イワンやっぱり耳元弱いんだ。可愛い」
「ひ、ゃ…やだ…はなさ、ないでよぉ…っ」

イワンの自身は確かに反応を示しておりイワンは信じられないというように目をきつく閉じ首をふるふると振った。繊細な印象を与えるプラチナブロンドが和希の顔を掠める。ただのシャンプーの匂いなのだが和希の興奮を煽った。

和希が触ってる所がジンジンと痺れそれが全身に広がり身体中に巡っている。囁かれる耳元が熱い、意識すると余計に息が上がり苦しい。
和希を押し退けようと肩を押し返したが、力が入らずすがる様な形になる。和希はクスリと笑いその震える手を捕まえ唇を落とした。

「ひあっ」
「何処が苦しいの?」
「は、離して…っわ」

逆に和希に押されベッドにゆっくり倒される。イワンの細い腰を股がるように膝立ちになり見下ろす和希。そこにイワンの知る和希はいない。

イワンは欲情を宿した瞳に耐えられず目を反らし、うつ向いた。するとズボンからでも解るくらいに勃ち上がった自分のを見てしまい羞恥で顔が赤くなる。

「イワン聞いてる?何処が苦しいの?教えて、ちゃんと言って」
「…っ」

非現実的だ。友達の前で勃起してしまっている自分が嫌でイワンは目を固くつむった。涙がぼろぼろと溢れる。

この涙情けなさか性感が由来なのかイワンには解らない。

「泣いてるの?」
「…っうぅ」
「かわいーね、仕方ないか」

イワンと反比例して和希は楽しそうだ。子供のような笑顔を浮かべる。
それもそうだ、ずっと欲しかったものを手にいれたのだから。
練りきりを前に目を輝かせたイワンよりも爛々と光る黒真珠の瞳が細められた。

「仕方ないから教えてあげるね。イワンくんは今、発情してるんだよ?」

また耳元で囁かれ腰がズンと痺れる感覚に体が震える。その反応が面白いのか和希はさっきからずっとクスクスと笑っている。

「あれ?今またちょっとおちんちん反応したね。期待してるの?俺のお尻に熱いのが当たってるのが布越しでも解る」
「っ…や…嘘…」
「薬も盛ったしイワン超敏感体質だからおちんちん触らなくてもイっちゃうと思うんだけどなー」
「ひぁ…っや…ぁぁぁ!」

そう言って二の腕から脇腹辺りを撫で回される。普段ではこんな快感は感じないはずだ。自分が発する甘い女のような声も信じられずイワンは全身を強張らせ、その快感に耐えようと唇を噛み締めた。
和希の細い指が唇をなぞった。

「声出るの恥ずかしい?もっといっぱいこれから恥ずかしい事するから我慢しなくていいんだよ」
「んっ…チュッ…ふぇ…んんっ…はっ…ゃっ…んんん!」

口中を犯されるような長いディープキスにイワンは目の前に白い星が点滅するのが見えた。腰辺りでぐるぐる溜まっていた熱が口内を犯された事で飽和しガクガクと震えながら射精する。熱い液体がまとわりつく感触にまた涙がでてしまう。

「本当に触らないでイっちゃったんだ…。キス気持ちよかった?」
「あぁんっ…ご、め…ふっ…」
「パンツの中ぐちゃぐちゃ?」
「ゃ…言わな…で…ぅ…んっ」

射精してしまいイワンは罪悪感でいっぱいだった。そこに和希が追い討ちをかける。

「じゃあ、確かめるね」
「あっ!やだ!ひゃうっ」

イワンはアカデミー指定のジャージに滑り込んで来た手に、乱暴に自身を捕まれ息を詰まらせる。グチョグチョと言う水音に耳を塞ぎたくなり首を振った。

「いっぱい出たね。ヌルヌルしてる。ほら…」
「やぁ…汚ない、からぁ…!」
「汚なくないよ。美味しいよ?」
「だ、だめ!」

和希が指や手のひらに付着したイワンの精液をペロペロと舐め始めた。
赤い濡れた舌が指に絡み付いた白濁を舐めとっていく。イワンに見せ付けるような扇情的な光景に目が離せなくなった。

イワンはもう快楽に蝕まれていって思考にモヤがかかる。もどかしさに思わず熱い息を吐く。
その様子に気をよくした和希は鼻歌でも歌いだしそうなくらい上機嫌にイワンのジャージに手をかけた。

「イワンって普段はこういう事に無縁って感じだけど、実際全身凄い敏感だし、ちょっと耳元で囁いたら顔真っ赤だし、キスだけでイっちゃうし、淫乱なんだね。本当に嬉しいよ」
「ゃっ、ちが…っ」

これは薬のせいだと言いたかったがもうイワンにとってこの熱から解放してくれるのは和希しかいなかった。ジャージの下のタンクトップがデコルテまであげられ胸が露になる。

「違うの?乳首もたってるのに?」
「あんっ、や…やだ…和希っ」
「違わないよね」
「ひあ!」

そういうと胸にある小さな乳首に舌を這わした。
周りを焦らすように舐め、時折尖らせた舌で押し潰すように舐めるとイワンの自身はまた熱を持ち始める。息を吐く時声が漏れてしまう。

「乳首ちっさいねー。感度は抜群みたいだけど」
「やぁぁぁあ、駄目…舐めないっでぇ…」
「あ、指の方が好き?どっちもしてあげる」
「あぁぁっ!やだぁ…やっ…ひゃああ」

左は乳首を吸われ舌先でなぶられ、右は中指と親指コリコリと摘ままれる時々人差し指で潰されれば堪らなかった。イワンはあまりの快感にパニックになりながら声をあげる。

「ほらもうおちんちん完全に勃ってるよ、さわってないのに。イワンの精液とカウパーが俺のジャージにも染みちゃうかも」
「ひ、ア…ごめ…んなさ…んぁっ」

そう言い乳首への刺激を再開する。全身で快感を感じるイワンに和希は夢中になった。
何処をどんな風に触ったらイワンはもっと乱れるのだろう、思わず舌舐めずりをする。

「ぁっ…和希っ…ち、乳首やだぁ…」
「嫌じゃなくてイイんでしょ?」
「あっ…んっ…」
「イワン…今自分がどうなってるか解る?」

和希は乳首への刺激を止めて、イワンのシルクのようなプラチナブロンドを撫でながら問いかける。
イワンは熱い息を吐きながら和希を見上げた。欲を孕み潤んだアメジストは今まで見たどの宝石よりも綺麗で和希を煽る。

「っ…わかんな…ぁ」
「キスだけで射精したイワンくんは乳首を弄られてあんあん言って、腰を俺の体に擦り付けてる」
「や……う、そっ」
「ほらまだ揺れてる、気持ちいい?」
「はぁ…ぁぁ、やっ…とまらな…っ」
「気持ちいいって言ったら手伝ってあげる」

イワンの目を真っ直ぐ見る。欲を孕み潤んだアメジストは今まで見たどの宝石よりも綺麗で和希を煽る。

「気持ちよくなりたくないの?」
「ゃ…も…っ、お、おかしくなっちゃ…」
「おかしくなってよ」
「んんっ…や…」
「なんで嫌なの?」
「はっ…恥ずかし…ひゃ」
「恥ずかしいからかぁ」
「あ、あ、だっだめ!やだ、あ」
「可愛いーなー」

イワンの腰に合わせて和希も腰を揺らす。但しイワンのような控えめな動きではなくイワンのモノに合わせて的確にイワンを追い込む。

「はぁ…んっあ!やっ、やっ、あぁ…っまた…イっちゃ…うぅ!」
「いいよ…イって…っ」
「ひ、っ、あぁぁっ」

イワンの背が大きくしなりびくびくと何度も跳ねる、和希はズボン越しの湿度にまたクスリと笑った。イワンは虚ろな目で快感の余韻に浸り体を何度も痙攣させた。

「またいっぱい出たね…可愛い…」
「…ん…っ」
「気持ちよかった?凄い…俺のズボンまで濡れちゃった…」
「んっ…和希」
「ん?」
「も…死んじゃう…」

イワンはそう言うと瞼を閉じる。
過ぎる快楽に疲れたのだろう。まだ感じるのか時々腹筋がひくつくのが卑猥だった。

「ごめんね。あまり可愛いからついやり過ぎちゃった」
「ひ、ど…こんな、」
「だってイワン凄いエロいんだもん…。本当にごめん、寝ていいよ。ちゃんと体拭いとくし」
「ん…」

イワンは軽く頷くと瞼を閉じ数秒後には寝息が聞こえてきた。今はその瞼に隠されアメジストの瞳は見えず、和希はゆっくりとイワンの前髪をかきあげ額に唇を落とす。

「早くおかしくなって?」

そして、俺と一緒に


END

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