その口で


※モブ主(フェラチオ他)




太陽は沈み、夜のシュテルンビルドは星空を地表に映したように煌めく。特にこのゴールドステージに建てられたホテルから見える夜景は極彩色と形容するのにぴったりで和希にとっては少し悪趣味に感じてしまう。
それはこれから始まる事が分かっているからなのかもしれないが。

「そんなに夜景が珍しい?」

指定された時間の5分前に来たが男はもう部屋でワインを飲んでいた。先日居た秘書らしき男は見当たらない。二人きりだ。

「ずっとブロンズステージに、居たので」

ブロンズステージを離れたのはアカデミーに居た期間だけだ。アカデミー時代は寮暮らしで外に出たことはない。ガラスの向こうの様々な大きさの建物。その明かりの一つ一つが人間が灯したものだと考えると不思議な感じがした。

「ふーん。ま、そろそろこっちへおいで」

ベッドに腰をかけている男の元へゆっくりと歩みよる。男の目の前に立ってこの前と立ち位置が逆だとどうでも良い事を考えていた。
男は上機嫌に和希のカーディガンを脱がす。

「あ」
「何?」
「ヒーロースーツありがとうございました」

和希がお礼を無表情のまま言うと男はクスリと笑った。そのままシャツに手を掛ける。

「なんだそんな事。まさかお礼を言われるとは思わなかった。…そうだな、言葉なんかじゃなくて、体で示して欲しいな」

シャツのボタンを全て外し、前を開いた。男の目の前に和希の真っ白な体がさらけ出される。透けるような肌を吟味するように手のひらを這わすと和希の体が少し震えた。極彩色が広がる背景に真っ白な和希の身体、ぞわぞわと非現実感に包まれていくような感覚に小さく息を吐く。

「そうだね、じゃあフェラチオしてくれる?」
「フェラチオ…」
「解んない?私のぺニスをくわえて欲しいって事なんだけど」
「…わかります」

いくら性に対して興味が薄い和希でもその言葉がどんな行為を示すかは知識として知っていた。和希は男の開かれた足の間に膝を付きベルトに手を掛ける。
男のまだ反応もしていないモノを両手で持ちゆっくりと男を見た。

「やりたくない?」
「…いえ」

何故この男は選択肢などないのに訊いてくるのか解らない。ただ長引かせても男を楽しませるだけだと和希は覚悟を決めておずおずと舌を伸ばした。何度か舐めていると男が和希の頭に手を伸ばし髪をすく。時々耳元を擽られ身を捩った。

「舐めるだけじゃいつまでも終わらないよ?ほらちゃんとくわえて…」
「んっ…ふ」
「そう…いい子だね。歯を当てないようにして、もっと奥まで…そう舌もちゃんとつかって…」
「…グっ…ふぁ…」

くわえきれない所は手で刺激するよう男は指示した。拙い口淫だがストイックな和希がフェラチオをしている、それだけで中々に男の興奮を誘った。口の端から先走りと唾液が混ざったものがぽたぽたとシミを作る。

「んっ…ジュッ…はっんぅ…」
「和希くん…」
「っ…?」

名前を呼ばれ顔を上げれば、男が困ったように笑っていた。気持ちよくないのだろうか?でも一応反応はしている。出来れば早く終わって欲しかった。慣れない動きで顎が痛いし男のモノをくわえるというのはやはり不快だ。

「ごめんね?」

そう言われるや否や頭を男の股関に押さえ込まれた。当然男のモノが和希の喉まで入る。その突然の出来事に和希は驚き男の腕を掴むが息苦しさに力が入らず男のされるがままだった。

「出すよ…っ」
「…ん゛んっ!」

暫くして口の中に弾けるように出された男の白濁を和希は当然飲み込めず噎せてカーペットに零れる。最低な味に涙目にながら口元を拭った。

「ごめんね、じれったくてつい。はい、これで口ゆすいでいいから」
「う゛…」

渡されたミネラルウォーターを口に含んだまではいいが何処にも吐き出せず仕方なく飲み込んだ。ペットボトルの半分程飲んだがが喉の違和感は消えずに顔をしかめる。

「美味しかった?」
「そんな訳無いじゃないですか…」
「ふふ、だろうねえ」

男は楽しそうに和希をベッドに押し倒しベルトに手を掛ける、本当は抵抗したい気持ちを握り拳を握って我慢した。和希にはこうするしか男を満足させることは出来ないのだ。

「っていうか、何で飲んじゃったの?」

男はさっき渡されたミネラルウォーターのことを言っているのか。ズボンが取り払われアンダーウェア越しに触られ和希は小さく震えた。段々身体の温度が上がるのを感じた。

「え?…だって…吐くところ無かったし…」
「そう。…グラスに吐くと思ってたから、少しキツいかもね」

そう言いながら両胸の飾りを摘ままれ身体が跳ねた。普段では感じない快感に和希は驚いた様に男を見る。

「や…なんで…っ」
「いやー、あの水に催淫剤いれてて」
「さい、いん?」
「そ。そしたら半分も飲むんだもん、ビックリだよ」
「うそ…そんな…んんつ」

コリコリと親指と中指で摘まれて人指し指で撫でるように触られて和希はビリビリとした甘い痺れに息を荒くした。
まさか自分がこんな所で感じるとは信じられない。そんなショックを受ける間もなく男が片方の乳首に舌を伸ばす。

「う…舐めな、で…っ」
「指でコリコリされる方が良い?」
「ちが…っあっ」

赤く熟れたそれを舌先で潰され思わず我慢していた声が漏れる。まるで女の様な自分の声に和希は赤面した。

「もっと声だしていいよ…」
「いやだっ…も、止めて…んっ」
「こっちも随分辛そうだし…」

そういって小さなシミが出来ているアンダーウェアも脱がされてしまう。和希の中心はもう既に立ち上がり蜜を溢して快感に震えていた。

快楽の熱に浮かされ涙が出てくる。息を吐いて熱から逃げようとするが、男は嘲笑うかの様に和希の蜜壷へと指を滑らせた。

「っひぁ…何処触って…っや」
「男に入れる所ここしかないからね、ちゃんとローション使ってるから痛くないでしょ?」
「やだ…ッ気持ち、わる…んっ…抜いて…やぁ」

催淫剤の効果かローションの効果は痛みは無く自分の中で動く男の指の違和感に和希は怯えた。男の指が二本になり圧迫感が増す。歯を食いしばって我慢する和希の髪に男は触れた。

「力抜いて…大丈夫、ここで気持ち良くなることを覚えるんだ」
「っく…無、理…っあ」

恐怖に引いていた腰がびくりと跳ねる。和希は何が起こったのか理解出来なかった。

「みつけた」
「あ──ッ!?あっあぁ…っや、そこっだめっ、──っ!」
「気持ちいい?」

重点的に感じる所を責められ和希は声を抑えきれず喘ぐ。そこを押されたり引っ掻かれたりするとバチバチと火花が散る様な快感が襲った。

「やめっ…あっあぁっ…」
「催淫剤効いて来た?先走り凄いよ」
「触ん、ないで…ひっ、んんっ」

隠されていた神経を無理矢理引きずり出され、快感でいたぶられる。指が動く度に腰が跳ねて和希の自身が揺れた。肌は薄い桜色にそまり瞳は涙で黒く輝き男を煽るには充分だ。指でグリグリと和希の感じる所を責める。

「ひ、ああっ、んっ…やあっだっ…あうっイくっイッ…ああぁ──っ!」

全身が丘にあげられた魚の様に痙攣させ和希は射精した。白濁が零れ和希の腹を汚す。

「…はぁ、んっ…はぁ」
「ここだけでイけたね、薬のおかげかな?それとも和希くんに素質があるのかな?」

楽しそうに笑う男に反論する言葉も浮かばずただ睨むだけで精一杯だ。恥ずかしさと嫌悪感で消えてしまいたくなり顔を腕で覆うと指が抜かれてまた小さく鳴いた。
するとまた蜜壺の入り口に何かが宛がわれた。
まさか、和希は息を飲む。

「あ゛っああぁッ」

慌ててそこを見ると男のモノがゆっくりと和希の中に入ろうとしていた。

「い、や…抜いてっ…んっ、痛っ…」
「それは聞けないな、力抜いて…息をゆっくり吐くんだ…」

男もキツいのか眉を寄せて息を吐く。和希は浅い呼吸をなんとか落ち着かせようと深呼吸するが腹がひきつるばかりで上手くできない。

「あっあぁっ…くッ」
「いいこ」

根元まで入れられ和希は圧迫感に目を見開く、熱く脈打つそれに嫌でも神経が集中してしまう。

「可愛いね、びくびくしてる」
「ぁんっ、ひゃ…動かな、いで…ぁっ…抜いて…ッ」
「それは無理、動くよ…」
「っわ、あっ…あぁっ」

太ももを抱える様に持たれ男はゆっくりと動き始める。和希は内側から裏返しにされそうな感覚にただ目を閉じて耐えるしか無かった。痛みはない、痛みどころか──。

「んっ、ああっやぁ、あっ」
「ここ気持ちいい?」
「ひ、ああぁっ!だめっそこばっかやぁっ、あんっ」

先程指で散々弄られたところを男のモノで強く叩かれるように刺激される。そこを責められる度に快感が襲い意識が飛びそうになる。和希の中心はまた隆起し男のものが深く刺さるたびに先走りが溢れた。

「はは、また勃って来てる」
「うそッ…あっ、ひゃだ、やだ、あっ」

男は涙を流す和希をよそにラストスパートをかけ始めた。なぶるような動きに速さが加わり和希は口を閉じることも出来ず喘ぐだけになる。

「く───ッ」
「あっんん…」

ズルッと蜜壺から抜かれ和希の腹と太股に男の精液が掛けられる。その熱さに和希は震えた。

どろどろの快楽に自我が溶けてしまいそうだった。呼吸を整えた男に手淫をされ和希もあっけなく二回目の射精をしてしまう。もう指一本すら動かすことが出来ない。和希はゆっくりと気だるさに任せて目を閉じた。



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