おねだりしなよ
「先輩、ちょっといつもと志向を変えませんか?」
「そうですよね…毎回和食じゃあ飽きますよね…」
「いいえ、セックスの話です」
歳上の後輩はセックスのことしか考えていない。と思う。
イワンは冷蔵庫を除き込んでた頭をバーナビーに向ける。
「え?今晩御飯なに食べたいかの話してましたよね」
「先輩が食べたいなって思って」
爽やかな営業スマイルを浮かべるバーナビーがイワンとの距離を詰める。後退りたかったが後ろに冷蔵庫がありそれは出来なかった。
「僕凄いお腹空いてるんですけど…?」
顔の横に手をつかれいよいよ追い詰められてバーナビーを見る。今シーズンのKOH、甘いルックス両方が手伝って某ファッション誌で抱かれたい男No.1だったらしい。
イワンにとってはアカデミーの後輩、仕事仲間で一応ライバル。
そして、3ヶ月前からは恋人だ。
考える暇も与えない猛烈なアタックを受けて、このような関係になってしまったが今ではイワンもバーナビーを愛しいと思っている。
自分より仕事もできて歳上のバーナビーだが、イワンに見せる素の表情はどちらかというと母性を擽られる。
言い換えると子供っぽいのだ。
「とりあえず、ご飯食べましょ?そうだ、今日はパスタに…」
「ダメです」
頭一つ上のバーナビーの表情はもうベッドで見るものと同じだった。ため息を吐いておとされた唇を食むように応えればそれは了承の合図。
「んっ…ふ…っは」
「ベッド行きましょう」
イワンは口の端に垂れたものを拭きながら頷いた。
「先輩と付き合ってから3ヶ月。セックスをするようになって2ヶ月、そろそろ慣れてきましたよね?」
「え?あー…、どう…ですかね?」
スカジャンとボトムを脱がされベッドに上がる。バーナビーの上に向かい合わせで乗るような形になり、イワンは体を這う手のひらに息が上がるのを感じた。
バーナビーと付き合うまでイワンは自分は一生こういうことは出来ないと思っていた。興味がないと言えば嘘になるが、興味を持つことを恥と思い避けてきた面もある。
なのでイワンから求めたことはない、いつもバーナビーからイワンを求めてきた。
「最近お尻でも気持ちいいって思うようになってきたんじゃないですか?」
下着越しに蕾をぐいっと押され思わずビクッとなる。
いつもはキスをしながら前を弄られ一回イかされてからそこに触れるのにいつもと違う、そういえば志向を変えると言っていたどういうことだろうか。
「だから今日の目標は先輩のおねだり、ところてんです」
「へっ?わあ!」
今、なんて?
聞き返そうとしたら押し倒されてしまった。被さったバーナビーの目はもうギラギラと欲望の色が滲んでいる。
「ば、バーナビーさん…怖いですよ…」
「怯えないて下さい。僕はあなたを気持ち良くさせたいだけですから」
「いや、あの…っ」
そういうとバーナビーはイワンの下着を脱ぎやる。いつもならバーナビーがイワンが恥ずかしいくらいに足を広げるのだが一向にその気配がない。涼しくなった下半身を隠すように内腿をすり寄せる。
「さあ先輩、足を自分で開いて下さい」
「やだ…」
「先輩」
「だって…」
「イワン」
「う…」
「足を、開いて」
低い声で言われてこれがお願いではなく命令というのを悟る。イワンはゆっくりとシーツをなぞるように足を開いた。
「良くできました」
「ひあっ…」
内腿を手のひらで撫でられたり付け根を揉まれただけで自身がピクリと反応する。それが恥ずかしくてイワンは自分の手で顔を覆った。
「何隠してるんですか」
「あっ…だって、恥ずかしい…!」
「ダメです。ちゃんと見て下さい」
「あっあぁっ」
手で数回擦られて、勃ちあがったそれを根元から先端まで舐められる。
「先輩本当敏感ですよね」
「あ、う…だって」
「そういう所大好きですよ」
そういうとバーナビーはイワンの自身を口に含んだ。先程よりも強い刺激に体が波打つ。
「ひ…あっ…バーナビーさん…」
「先輩どこが気持ちいいか言って下さい」
「やぁ…そんなの…」
自分の先走りかバーナビーの唾液か解らない水音がいやらしく響く。裏筋を舌先で押すように舐められれば限界が直ぐに見えてくる。ゾクゾクとした感覚に体が震えた。
あともう少し、という所でバーナビーの口が離れた。ニヤリといやらしく笑うバーナビーと目が合う。
「おねだりしてください」
「なっ…に言って…!!」
「イかせてくださいって」
「や、やだ!」
「そういうと思ってました」
イワンがそういうとバーナビーはまた笑った。意地悪な笑みに嫌な予感しかしない。するとポケットからコックリングを取り出して、イワンの自身に取り付けた。
「これで先輩は僕におねだりするまでイけませんよ」
「な、なんでこんな!」
「だってこうでもしないと言ってくれないと思って」
「とってください!!!」
「おねだりしてくれればいつでも」
そういうと内腿を見せ付けるように舐められた。自分のものについたそれも視界に入り羞恥で死んでしまいそうだ。
「い、意地悪です!!こんな…」
「意地悪で結構です。イきたくなったら言ってくださいね」
そう言って下半身の今度は後ろの方にぐちょりと湿った感覚が襲った。バーナビーの指が一本ゆっくりと入る。
「ひゃっ」
「痛いですか??」
首を横に振って呼吸を整えた。もう何度も経験したその違和感は最近快感と体が捉えているようで、誘うようにそこが締まる。
それが恥ずかしくてイワンは目をギュッと瞑った。
「指、増やしますよ…」
「あんっ…ふっ」
あられもない声が出て口を押さえるが、バーナビーに両手を一纏めにされてしまった。2本の指がゆっくりと深い所まで進んでいく。
「先輩、声我慢しないで。沢山気持ち良くなって下さい」
そういうと、イワンの一番感じる前立腺への刺激を始めた。 あまりに強い快感に体はしなり爪先がピンと張る。
「ひゃあっ、あっだめ!バーナビーさ…んぁっ、バーナビーさ…あっそれだめっ…やだぁあ…あぁっ!」
「だめじゃないですよね?気持ち良いんですよね?ほらここ…こんなにびしょびしょにして…後ろにも垂れて来てますよ?」
「やだやだぁ!あっ、あっ…それ、それだめなのぉ…!ひっ、あぁ…」
何時もならこのへんで、バーナビーはイワンの自身を触り絶頂へ導く筈なのだが今日は触れて来なかった。抑制された射精に快感を増強されイワンの目からいくつも涙が零れる。イワン自身も赤くうっ血しぷるぷると震え大量の前立腺液を溢していた。
「あっやだ!やだあぁ…っ!離して!あっああっ」
3本に増やされた指がバラバラに動き不規則な動きで前立腺を刺激される。イワンは頭を降ってその快感をやり過ごそうとするがもう限界だった。早くこの熱を解放したい、脳味噌が茹でられた感覚に陥りもうその事しか考えられなかった。
「先輩も…、ココも…とろとろですね…」
「んあっ、あう…ッバーナビーさんっ!…んぐっ…リングっ」
「これがどうかしましたか?」
涼しい顔でリングをなぞるよう触れられる。それだけで堪らなくて腰を揺らしてしまう。
「あっ…と、取って…!あっああんっ」
「注意書によるとあと15分くらいは大丈夫ですよ」
「だめえっ!し、死んじゃ…っはう…死んじゃう…やっ、あう…っん」
「じゃあ、おねだりを」
待ってましたとばかりにバーナビーはイワンに言った。羞恥心は快感に溶かされてしまった。イワンは呼吸を整える。
「んっ…、これ、外して…いっイかせてっ…んっ、イかせて下さいっ…ぁっ」
「それだけですか?」
「だっ、て…イ、かしてって言えって…んっ、ひ…あぁ」
「それはさっきの話しです。ここに入れてって言って下さい」
そういうと指先でしこりを挟まれて息を詰まらせる。唾液を拭う事も叶わずにビクビクと体が揺れ視界が滲む。
「先輩もしかしたらドライでイけるかもしれないですね。知ってますか?あまりここを刺激すると射精せずに絶頂できるそうですよ。それは射精する何倍も気持ちいいとか、そっちにしますか??」
「や、やだ…もうっ、やら…死んじゃ…」
「言ったらイけますよ」
バーナビーは自分の自身を取り出してイワンのひくつくそこに宛てがった。無意識だろう誘うようにバーナビーを奥へと導こうとする。
「んぅ…はぁ…入れて、くっ下さい…苦しっ…入れて…あっあぁ」
「入れるだけでいいんですか?」
「あぁ…動いて!動いっ…て、奥にぃ…っひあ!もお、やだよぉ…っ!」
「合格です」
バーナビーも限界だった。腰を一気に進める。イワンはあまりの強い快感に目を見開き浅い金魚のような呼吸を繰り返す。待ちわびたように中がうごめきバーナビーを締め付ける。奥まで入れてバーナビーは大きく息を吐く。
「動きますよ…」
「…っああっ!とっ…てぇ!」
「あぁ、すみません」
そういうとバーナビーはイワンの自身を拘束していたリングを片手で外した。そのあと直ぐに腰を動かす。イワンの腹筋が小さく痙攣を始める。射精が近い合図だった。
「やあっああっ、深っ…らめっああっ」
「気持ち、いい、ですか?」
バーナビーにも余裕はない。こんなにも乱れたイワンは初めてでそれはとても扇情的だった。呼吸と喘ぎで口を閉じることが出来ず涎が零れている。
「ひぅッ…いいっ!気持ちいいよぉ…ッ!イっ…はぅう…あっイっちゃ…イっちゃう…!!」
「っく、イって下さい…!」
「あっ、あぁっ、出ちゃ…ッやだ、出ちゃううっ」
イワンの腹筋と内腿が大きく震える、バーナビーはイワンの良い所目掛けて腰を打ち付けた。
「ひっあああぁっ…ああぁっ!」
胸をバーナビーにつき出すように身体をしならせる。ずっと我慢していたせいか、勢いよく飛び出たそれはデコルテを越えてイワンの口元にまで飛んだ。一度では出し切れないのか二度三度腰が揺れる度白濁が飛び出しイワンの下半身を汚した。
射精時の締め付けに耐えきれずバーナビーもイワンの中で果てる。それにまたイワンはびくびくと震えた。
「あっ、や…な、か…あついのっ…ふぅっ…、んっ」
「先輩、可愛い…」
快感により何も考えることが出来ずうわ言のように小さく喘ぐイワンをバーナビーは抜かないでそのまま観察していた。
そのあと、バーナビーは抜かずにもう一度イワンを味わった。
「最低最悪です!」
「だから謝ってるじゃないですか」
「もー本当に許せない!許せない!」
翌朝イワンは朝食の準備を終えて起こしにきたバーナビーに枕を投げつけ怒り散らした。
「暫くエッチは駄目です!」
「それは困ります。次の目標も決まってるんですから」
「駄目!絶対やだ!」
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エロ初心者なので、1から10まで書いてしまうなあ。
これはエグいギャグですよ皆さん、あははは。
イワンくんは感情が高ぶるとタメ口になると可愛いなって。
本当すみません。
藤原蓬(フジワラヨモギ)
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