陶酔2

バーナビーはずっと我慢していた。
年下のいつも自信なさげに猫背で俯いている少年を初めてみた時は色々なヒーローがいるんだな。というくらいだった。
実際、ネクストが実践向きじゃない彼はポイントも稼げなかったが、だからといって人気がない訳ではない。
ヒーローTVで折紙サイクロンが何処で見切れてるか探すのがヒーローファンで流行っている。と、この前雑誌のインタビュアから聞いた。そしてその見切れのお陰でスポンサーからもポイントが少なくても怒られることはない。

ショービジネスとしての折紙サイクロンは他のヒーローとは違う独自のスタイルで大成功を納めている。
そして、バーナビーはそんな折紙サイクロンに好感を持っていた。ポイント至上主義の自分と似ていたからだ。

しかし、当のイワンはそれに悩んでいつも不安げな表情をしていた。
彼の中でのヒーローは困っている人を助け、悪を正しい道に導くというものらしくそれは折紙サイクロンとかけ離れていたからである。

そんな自信なくヒーローみんなが集まった時も居ないか隅っこにいて話すこともなかったイワンにバーナビーは「折紙先輩」と呼ぶことで、彼の自尊心を少しだけ支えてあげる。バーナビーはそうすることによって優越感を感じていた。

他のみんなが出来ないことを自分にはイワンに施すことが出来る。
バーナビーはそれで満足していた。

しかし、ジェイクの事件からイワンは変わった。いや、イワンが変わったのはエドワードの事件からだ。ジェイクの事件を機に変わったのは周りのヒーロー達だった。

今までは大人しく話すことがなかったイワンが時々トレーニングセンターで談笑していたり、一緒にトレーニングをするようになっていた。
自分が招かないと話の輪にも入って来なかったイワンが、今や自分の居ない時に話の輪の中心にいるときがある。最初はそれを良いことだと思ったが段々と苛立ちの方が強くなってきていた。

特にスカイハイと居るイワンは端から見ても嬉しそうで、バーナビーからすると面白くない。
今まで困ったような笑顔は見たことあったが、あんな笑顔を向けられたことは無かった。

所詮、自分は仕事仲間の後輩で彼の抱くヒーロー像そのものな彼とは比べ物にならないのだ。

バーナビーは自分が満たせないものをイワンが他の人から与えてもらっているのに耐えれなかった。

気が付いた時には恋と言うには汚すぎる感情がバーナビーの中で渦巻いていた。


「バーナビーさん…こんな冗談、あっ貴方らしくないです…!」
「…僕らしい?僕らしいってなんですか?教えてください」

冷めきった声だなとバーナビーは思った。

「だっ…て…こんなこと…な、なんか僕気に障ること、しましたか?謝りますから…っ!」

青ざめ怯えきっているイワンをバーナビーは鼻で笑い掴んでいた右手でイワンの両手を一つにまとめあげる。

「答えになってないですよ先輩。教えてください、…もう僕もどうしたら良いか解らないんです」
「…っ!?」

左手をイワンのタンクトップの中へと滑らせる、冷たい手の感触にイワンの腹筋がぴくりと動いた。

「やだっ…!やめて下さいっ!」
「抵抗してもいいですよ。その分酷くするだけなんで」

タンクトップをデコルテあたりまで目繰り上げられ、イワンの上半身が露になる。真っ白で決め細やかな肌を確かめるようにバーナビーは手を這わせた。
酷くする。その言葉を本気と取ったのかイワンは泣きそうな目をぎゅっと閉じて唇を噛んでいた。それを笑うようにバーナビーはイワンの唇を奪う。

「んっ…んんぅ…や…」

引っ込んだ舌を引きずり出すように絡めるとイワンが足をバタバタと揺らす。しかし、しばらく口内を犯すように口づけるとイワンは大人しくなった。

「ぷはっ…はぁっ…」
「はは、やらしい」

イワンの口から零れた唾液を指で掬いそのまま乳首に塗り付けると体がまた軽く跳ねた。バーナビーはその反応が楽しくて乳首を摘まんだり撫でたり引っ掻いたりを繰り返す。

「っ…バー…ナビーっさんやめて…や、だっ…あっ」
「先輩乳首開発済みですか?」
「ひ…そんなわけ…な…っ」
「へえ、じゃあ敏感なんですね」
「あっ、やっ舐めちゃ…んっ」

空いている右の乳首を含む。ねっとりと舐めあげ乳首を舌先でつつくように刺激し暫くするとぷっくりと立ち上がった。

「ほらもう乳首こんなですよ。気持ちいいんですよね?」
「ゃう…はなして…バーナビーさん…」

イワンは目に一杯涙を溜めてバーナビーを見上げる。アメジストは快感に潤み色を濃くして、バーナビーの興奮材料にしかならなかった。

「やめてって言う割には、先輩さっきから僕の足に腰押し付けてますけど?」
「…っや」

イワンの弛く勃っているそれをズボン越しに膝で刺激するとまたびくんと反応する。男の性かそこを刺激されイワンの抵抗はほとんどなくなっていた。

「ぐっ…あっ痛…や足ぃ…あ゛ぁっ…」

ベルトを外し、ズボンの前を広げると、勃ち上がったイワンの自身がボクサーパンツを押し上げている。

「先走りで汚れちゃいましたね」
「…や、見ない、で」

そういうとバーナビーはズボンとパンツをイワンの膝元まで下げる。露になったイワンの自身は先端を先走りで濡らしながら勃っていた。それをゆっくりと手で包む。

「ひ…」
「凄い…びくびくしてますよ」
「あっだめっ…あっ…んっあ…」

竿の部分を擦るだけで気持ち良いのか腰が宙に浮く。イワンは完全にバーナビーから与えられる快感に酔い始めていた。とっくに両の手は解放されたのにもうバーナビーを押し返すというよりは手を添えてるに近い状況だった。

「っば、バーナビーさっ…あぁ…も…いっちゃ…あんっ…はぁ…」
「駄目ですよ、まだイっちゃ」

もう少し、というところで手離される。イワンはバーナビーを見るがバーナビーはニコリと笑ってイワンの口の中に指を入れなぶり始めた。

「んっ…ぐ…っ」

舌を人差し指と中指で挟みイワンの唾液を絡めとる。それだけでも感じるのかイワンの自身からまた先走りがじわりと滲んだ。

「舌、感じますか?」
「んぅ…」

そういってまたキスをされる。さっきのように抵抗する力は無かった。されるがままに口内を蹂躙された時だった。イワンの下半身に違和感が走る。

「んんんっ」

バーナビーが先ほど絡めとった唾液を潤滑油にイワンの蕾へと指を進めた。きつく閉じたそこをこじ開けるように進む指。イワンから血の気が引く。

「キツいですね…。力抜いて頂けますか?」
「あ゛っ…?や、やだ!痛いぃっ…痛…」

すっかり萎えて縮んでしまったイワンの自身を空いている手で扱いてやる。するとイワンは痛みと快感で目から大量な涙を溢しながら震えていた。バーナビーはなるべく優しくゆっくりと中に指を滑らせていく。
根元まで埋めて腹の方へ何度か指を曲げる。うめき声を上げていたイワンだったがあるところを押すと今までにないほど跳ねた。

「…ここですね。先輩の良いところ」
「ひっ…ああっ…っそ、こ…あ…あぁっ」
「前立腺って言って男性でもつっこまれて気持ちよくなる所ですよ」
「ゃ、やっあぁ、だめっ、だめぇ!」

何度も何度も前立腺を押し潰しその度にイワンから甘い声が上がる。頬には涙の跡がいくつも出来ており、喘ぎっぱなし口からはよだれが流れぐちゃぐちゃだ。

「先輩見て下さいよ。ここ触る度先走りが沢山出てきますよ。こんなに震えて…」

裏筋を刺激しながら鈴口から溢れる先走りを人差し指で拭うとイワンの腰が浮き上がる。限界が近いのかだらしなく開かれた口からはもう喘ぎ声だけだった。

「イって下さい」
「ひっ…あっぁあああぁ」

前立腺と鈴口を責められイワンは自身から勢いよく白濁を飛ばし射精した。バーナビーは一旦指を抜きイワンの腹筋に飛び散ったそれを指で拭う。

「はぁ…あっ…う…」
「いっぱい出ましたね…。でもこれで終わりじゃないですよ」

射精の余韻に浸るイワンを嘲笑うように、精液を絡めた指を今度は2本埋めた。

「っあああ…っ」

1本目よりもきつかったが2本の指で挟むように、そこに触れられれば強い快感に頭が真っ白になり首がのけ反る。射精したばかりのイワンの自身はまた先走りを溢し始めた。

「だめえ!バーナビーしゃ…あぅう…っいっ、たばっ…かで、それ…それえっ!」
「これ気持ちよくないですか?」
「ひうぅっ」

もう1本指を増やされ3本の指が根元まで入りイワンは息を飲む。奥に入れば指をバラバラに動かされ、入り口近くまで抜かれれば前立腺を刺激されイワンはただ快感に喘ぐだけと化した。

バーナビーがイワンの足はイワン上体へ畳むように曲げ溶けた蜜壷を確認する。

「すごい…。先輩のここ、どろどろだ…」
「や、やだ見ないで…やめて…」

覗き込むように見られイワンは赤面する。しかしバーナビーの指をくわえたそこはヒクヒクと淫靡にバーナビーを誘ってるように見えた。

「ここで止めたら先輩も僕も辛いじゃないですか」

そういってバーナビーはベルトを外し既に猛った自身を取り出した。自分のより遥かに大きなそれを見てイワンは青ざめる。これから起こることを予測したようだ。

「え…」
「もう、入れても大丈夫ですよね?」
「う、嘘…ぁ…やだ…!」

バーナビーはイワンの内腿に手を当て大きく開いた。イワンの入り口へと自身の先端を宛がう。淫靡なそこがバーナビーを招くように蠢いた。

「や…お願い、…やめて、入れな…で…ひっ」

泣きじゃくり懇願するイワンに冷たく微笑み楔をイワンの中に埋めていく。イワンは目を見開いて上半身を反らした。

熱量に息が出来ない。自分とは違うタイミングで脈打つものが侵入していく。慣らされたおかげで痛みはなかったが上手く呼吸が出来ずにはくはくと金魚のような浅い呼吸を繰り返す。

「あっ…あぁっ…はっ」
「まだ半分ですよ」
「やっ…苦し…も、無理」

ぐっと腰を捕まれ更に奥へ侵入される。もう、涙でイワンはバーナビーの顔が見えなかった。
手を伸ばすも触れることなく落ちる。

その時根元まで入れ呼吸整えたバーナビーがゆっくりと動き始めた。

「ひっ…や…ああぁっ」
「気持ちいいですか?」
「あぁっ…だ、動いちゃ…ひんっ」

奥まで入ったかと思えば、入り口近くまで抜けていく。その時に前立腺を責められてその度に快感からぴゅくっと先走りがこぼれる。

「先輩のここ…っ、凄い締め付けですよ…」
「ひっ、やら…っこわい…っかしく…んあっちゃう…」
「ヨすぎて、ですか?」
「ひああ!アっ…深…た、たしゅけて…たすけ…あっ」

イワンは限界が近いのかバーナビーをぎゅっと締め付ける。バーナビーは腰の速度を落とし。ゆっくりと、でも的確にイワンの弱いところを責め立てた。

「助けて…?ヨダレたらして、乳首尖らせて、お尻にペニスくわえて勃起してるのにまだそんなこと言うんですか?」
「あんっ…ちがっ…ふぁ」
「こんな淫乱な姿、スカイハイさんとか見たらどう思いますかね?そうだ、助けに来て貰います?」
「やっ、やだ!…っん」
「あ、今締まりましたけどスカイハイさんに見られるの想像したんですか?変態だな」
「なっ…ちが…」
「まあ、いいです」

ラストスパートと言わんばかりにまた動きが激しくなる。

「あぁっ!イっ…いっちゃ…あ、あ、あ、ああああっ」
「はは、触らずに射精とか。顔まで飛ばして…淫乱」
「やぁ…動かしちゃ…あっまだ…イっ」
「僕も…っそろそろ…!」
「ひぃ…あ゛ああ…!」

イワンは自分の中にバーナビーが熱を吐き出したのを感じてまた小さく射精した。バーナビーは腰を小さく揺すり最後の一滴までイワンの中に出した。

「あ、あ…っい…」
「先輩?」

ヒクヒクと痙攣を起こすイワンの頬をなで前髪を掻き分けてバーナビーは息を飲んだ。

「たす、けて…」
「…っ」

「あついよ…バー…ナビーさ…」

その瞳はもう快楽に溺れていた。




[comment]
TOP