小説 | ナノ


カナです。あなたの脊柱に脚に腕に首に鎖骨に腰に首に全てにキスしたい。 欲求不満?違うだろう。あなたを支える全てのものに私は感謝している。私達は長く一緒に居すぎたのかもしれないね。だからこんなに離れたくないのかな。嫌われるのは怖くないし、悪くないと思ってるんだ。けれどあなたが死んだ時に一番に骨を拾えないのが何より悲しい。準え。準え。 なぞらえ。なぞらえな。ぞらえ。
期待すら届かない、都道府県には収まらない。
もう二度と顔も見たくないし、死んでくれて構わないって程にあなたが好きだよ。 良いから私を使って、掻き抱いて。毟って。混ざりに交ざって爆ぜて死にたい。私をあなたに縫い付けたままで塗り潰して欲しい。上には高速道路が煩くて良いから、ゴムに踏まれたって我慢出来るから。張り付けて人生、死ねたならサイコーだと思う。
表通りは賑やかだから私くらいは許してくれても良いでしょ?
だってほら、あなたは都道府県には収まらない。

カナです。二番目に好きなひとと一緒になると幸せになれるなんて、私の一番も二番もずっとずっとあなただけで誰もいやしないのに、おかしなことあるわけないんだ。
水彩みたいに滲む輪郭ぼやけてひとつにならないかな。どうせ瞼は涙を追い出すのにだったら全部捨てられたらね、サイコー。寂しい人間同士、誰にも迷惑かけず、ただひたすらに、お互いを愛しただけだ。早く早く私の事嫌いになってよおかしくならずに済むなら心底憎んで早く私で一杯になってよ。ねえ。収まるつもりのないところから早く。早く早く。抜け出してそして。あなたはあの可愛い笑顔でいつまでも笑ってよ。

カナだよ。好きだよ。もうどうしようもないし、もうどうにもならない。すき。あっくん。あっくん、綺麗な愛じゃなかったけど、殴られても痛くないよ。嫌な思いさせてごめんなさい。私は中卒だし勉強もろくにしてこなかったから、私は馬鹿だから私私あなたに嫌な思いばかりさせてしまう。ごめんなさい。私は人の気持ちも解らない女なので、あなたの痛みの受け止め方も解らない。気付けない本当は痛いけど、仕方ない。あなたはきっともっと痛い。握り拳に血が滲んでる。ねえ、どっちの血なんだろうか。私の血だったら汚してしまってごめんなさい。あっくん。もう泣かないで痛くないよ。私、全然痛くないよ。痛くない
よ。泣かないで。ごめんなさい。私の血が流れなければ、あなたは泣かなくて済んだだろうか。私が血を流さない中身の様にぺらぺらの紙だったらよかった。
ごめんね、ごめんなさい。私、こんな事しか出来ない。し、こんな下らない事しか考えらんない。ごめんね、ごめん。ごめんなさい。
もう一緒に死んでしまおうか?あっくん。

カナです。

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