「わぁ、幸せすぎる頭」

「冷たい目はやめてー」



ここまで嫌悪感を露にされるといっそ愛を感じるよ。このツンデレさんめ!
佐助の冷たい視線に耐えられなくなった頃、お館様から服を渡された。
この際どっから取り出したかは聞かない。



「巫女さん服だー、わーい。ってコスプレか!
え、そういうプレイなの!? コスプレイ!?」

「何事も外見から入った方がよいじゃろう。
その方が身も心も引き締まる」

「流石お館様! 智に優れております!」

「私さ、馬鹿な子ほど可愛いって思ってたけど普通にムカつくな」

「あんたも充分ソレだから、安心しな」

「キャッ、佐助ってば私の事可愛いって思ってたの!?」



わぁ、冷たい通り越して殺意がこもってるよ。
ブリザードが吹き荒れてる。
ボケも大概にしなきゃな。



「なぁなぁどっか着替える場所は? あと風呂も入りたいんだけど」



早く血を洗い流したい。
いくら傷が塞がっていても、肌に血がこびりついた状態でいたくない。
時間経つと汚れって落ちにくくなるし。


「そうじゃな。では幸村達と入ってこい。
鍛錬で汗をかいたじゃろうて」

「「え」」

「これから武田へと迎える者じゃ。男同士裸の付き合いというのも良い」

「うぉおおおおおお! この幸村感動致しました!
流石お館様、寛大なる懐の持ち主でございまするぅ!!」

「感動したところ悪いんだけどさ」


口を挟むのは気が引けたが、これは言わなきゃいけない。


「私、女なんだけど」

「「「え」」」


間抜けな声が揃った。
仰天とばかりに視線が私に注がれる。


セーラー服着てるのに酷くない?



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