捌
「わぁ、幸せすぎる頭」
「冷たい目はやめてー」
ここまで嫌悪感を露にされるといっそ愛を感じるよ。このツンデレさんめ!
佐助の冷たい視線に耐えられなくなった頃、お館様から服を渡された。
この際どっから取り出したかは聞かない。
「巫女さん服だー、わーい。ってコスプレか!
え、そういうプレイなの!? コスプレイ!?」
「何事も外見から入った方がよいじゃろう。
その方が身も心も引き締まる」
「流石お館様! 智に優れております!」
「私さ、馬鹿な子ほど可愛いって思ってたけど普通にムカつくな」
「あんたも充分ソレだから、安心しな」
「キャッ、佐助ってば私の事可愛いって思ってたの!?」
わぁ、冷たい通り越して殺意がこもってるよ。
ブリザードが吹き荒れてる。
ボケも大概にしなきゃな。
「なぁなぁどっか着替える場所は? あと風呂も入りたいんだけど」
早く血を洗い流したい。
いくら傷が塞がっていても、肌に血がこびりついた状態でいたくない。
時間経つと汚れって落ちにくくなるし。
「そうじゃな。では幸村達と入ってこい。
鍛錬で汗をかいたじゃろうて」
「「え」」
「これから武田へと迎える者じゃ。男同士裸の付き合いというのも良い」
「うぉおおおおおお! この幸村感動致しました!
流石お館様、寛大なる懐の持ち主でございまするぅ!!」
「感動したところ悪いんだけどさ」
口を挟むのは気が引けたが、これは言わなきゃいけない。
「私、女なんだけど」
「「「え」」」
間抜けな声が揃った。
仰天とばかりに視線が私に注がれる。
セーラー服着てるのに酷くない?
続