政宗とヤンデル
生まれ変わったら鳥になりたい。
そんな彼の願いを叶えるべく、大量の鳥の羽根を毟りとったのが一昨日。
大きな羽根を拵えたのが昨日。
そして彼の身体に取り付けたのがついさっき。
不器用だから大変だったけれど、雀や鳩、カラスなど多くの種類の鳥の羽根を縫い合わせた羽根は、彼の身体にぴったりの大きさだ。
取り付けるときについた汚れを拭えば、思わず見ほれてしまう出来。
それに、涙をぽろぽろと零す彼はとても綺麗。
羽根をあげた代わりに手に入れた腕を抱え、にこりと笑いかければ、異国語で何か言われた。
御礼を、言ってくれたのだろうか。だとしたら嬉しい。
でも、鳥は喋らないんだよ。
囀るか、歌うの。
「ねえ、鳥さん」
両腕に縫いつけた羽根を撫で、口付けを落とす。
貴方は今から鳥になるんだよ。
生まれ変わったら鳥になりたい。素敵なお願いね。
なら、叶うのは今でも別に構わないでしょう?
ああ、そういえばどうして鳥になりたかったのか聞いていなかった。
どこか飛び立ちたいと願ってだと思い込んでいたものだから。
気づいたときには彼の背中を押した後。
結局彼は鳥になれなかったみたい。
けれど、大丈夫ね。生まれ変わったらきっと鳥になれるわ。