特に電脳双子のように何かの専門分野に突出していなかったり、彩花のようにチート並の成績が取れない場合は尚更だろう。

「はい!ただお客さん集めるだけだったら、オレ良い方法知ってる!」
「雨丸か……なんだ?」
「確かクラス予算って十万まで使って良いんだよね?なら、オレ達相手に腕相撲で五人勝ち抜いたら賞金十万で、挑戦料は一人五百円っていうのは?」


たしかにその内容ならば集客効果は十分だろう、なにせ見るからに貧相な高校生と腕相撲で勝つだけで十万なのだから。
しかしそれは、普通の高校生だったらの話だ。

「雨丸、良いことを教えてあげる。それは詐欺っていうんだよ」

「えー、なんで?ちゃんと勝てばお金払うよ?勝てたらだけど」


一番力が弱い彩花でさえ子供一人振り回せるのだ、そんな彼等−−しかも五人に勝つのは普通ならば到底不可能だろう。
そもそも、それをわかっていながら提案するのだから質が悪い。

「ふむ……それは良い案ですね。正直に言うとめぇの手をどこの馬の骨とも知れない輩に触らせるなんて虫ずが走りますが、集客を狙うなら手っ取り早いです」


そう言いながら、彩花の脳内では打算に満ちた計算が始まっていた。


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