2 「なんだよ!せっかく良い案出してあげたのに」 「そうか黙ってろ」 真音に同意を求めた筈の蜜歌だが、見事に一言で切って捨てられてしまい、彼のテンションはまさに急下降だ。 真音にとっては学園祭自体が面倒で仕方ない行事であり、出来ることならば参加したくない。 「蜜歌も考えが甘いですね……学校祭といえばホラーハウスです」 「そんな定番みたいな言い方されても……でも良い案だね。具体的にはどうするの?」 「学校でホラーといえば七不思議です。なので教室の扉に鍵をかけて、七不思議の一つ、開かずの教室という……」 「サボりたいだけなんだな、却下」 自信満々に言う彩花に一瞬騙されそうになったが、よくよく聞いてみると展示なんてしないでサボりたいというだけのものだ。 何せ開かずの教室なのだから、教室自体に手を加える必要どころか当日の役割すら無い。 「……融通の効かない人達ですね」 「……言い忘れてたが、当日の集客数が一番多かったクラスは冬休みの宿題が免除される」 反省の色をまったく見せない彩花と蜜歌の様子に、電脳双子の兄の方が最終兵器とばかりに一枚の紙を出した。 長期休みの宿題免除というのは健全な男子高校生にとっては、まさに恰好の餌だ。 [*prev] | [next#] (←) |