「真音……そんな所も大好きっ」

「おい、聞こえなかったのか」

蜜歌に喜々として腕を引っ張られ、真音は半ば不可抗力で彼の膝に倒れ込む。
真音は起き上がろうとするが、蜜歌に肩を押さえられて立つことが出来ない。


「おい、蜜歌っ!」
「大丈夫、彩花も雨丸も見てないから」


そう言われ、見てみると二人もひざ枕中で完全にこちらを見てすらいない。


(……あいつらは何しに来たんだ?)

しかし、そう考えているうちに疲れが祟ったのかだんだん眠くなってくる。

このままここで熟睡するなどという恥ずかしいことは出来ないのだが、思考の半分はもう旅立ちかけている。

「……晩飯、出来たら起こしてくれ」

「……うん」

諦めて寝入った真音は、あくまで仮眠だと自分に言い聞かせる。

(これは……ずっとひざ枕しててくれっていう真音なりのアピールだね?)


ひざ枕してるので、料理をしようにも立っては真音を落としてしまう。
これは確実にそうアピールされていると、勝手に解釈した。

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