学校に行こう


「参観日……?」


何時ものように職員会議に参加していた雨丸は、聞き慣れない単語に首を傾げた。

担当クラスの生徒の分と見本に配られたプリントに目を通すが、結局なんだかよくわからない。


「まあ、簡単に言えば保護者に授業の様子を見てもらいましょうって事だよ」

「へえ……」

朧にそう言われ、とりあえず雨丸は呟く。
正直どうでもいいのだが、生憎その時間に授業が入ってしまっている。


「まあ、初めてで緊張するだろうけど頑張ってよ」

緊張などする訳無い、と考えていると、突然名案を思い付いてしまった。
雨丸はプリントを持つと、意気揚々とクラスへと足を運ぶ。


「というわけで、一週間後に参観日があります。しっかり親御さんにプリントを見せてあげて下さいね」


とても楽しそうに満面の笑みを浮かべる雨丸に、今度は一体何を考えているのかと不安になる。

むしろ、しっかり授業をしてくれるだろうか。



「一週間後が楽しみですね!」

不安しかないのだが、いまさらどうしようもない。
王太は、これが杞憂ですんでくれと願わずにいられなかった。

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