4 「は?おい……」 「彩花に頼んでよかったぁー、悪何者高校って黒髪少ないんだもん。焼きたいー」 呆気に取られる王太をよそに、かがりは一人で盛り上がっている。 ついでに聞こえて来た言葉に、あのラブレターは彩花が書いたのだと何となく予想が出来た。 まさかあの雨丸の態度は、字体から愛しの彩花の書いた文だと分かったからだと言うのだろうか。 「かがり、あまり焼きすぎちゃだめだぞ」 「止めろよお前も!」 諌める所か煽るいさりに、もう完璧に彩花達と同類なのだと確信した。 こんなに他人に対して雑な態度を取れる奴は、滅多にいない。 「おいやめろ!」 どこから取り出したのか、ライターを近づけてくるかがりに王太は抵抗しようとする。 しかし、二人掛かりな上に身体能力が普通より高く、流石の王太でもてこずってしまう。 そんな理不尽な理由で孤軍奮闘していると、まさに天の助けのような声が聞こえて来た。 「ライターは持ち込み禁止ですよ」 風紀委員である狼と遠矢が見かけたらしく、助けに来た(のかどうかはわからない)が、狼がいることで有り難さ半減だ。 [*prev] | [next#] (←) |