2 「ちょっと見せて!!」 雨丸は王太から手紙を引ったくると、内容と文字を凝視する。 一体これはなんの罰ゲームかと思いつつ、王太はもう片方の手紙を手にとった。 「……これは苦情というか罵倒というか……」 墨を使って書かれたそれは、達筆さ加減も合間って謎の迫力を醸し出していた。 手紙に目を通した王太は、未だに手紙を凝視する雨丸に目を遣る。 「雨丸先せ……」 「……嘘だ」 「は?」 何事かと声をかけようと思ったが、涙目になった雨丸に本気で何事かと心配になる。 教え子がラブレターを貰うのが、そんなにいけないことなのか。 「王太君のばかっ!」 「えっ、オレ!?」 変態!と叫んで走り去る雨丸に、もう何がなんだかわからない。 理解不能なまま、王太は放課後を迎えてしまった。 こうなったら、せめて現状を理解しようと呼び出された校舎裏に向かうしかない。 「まったく……一体なんだって言うんだ」 からかう同級生を撒き、王太は無事一人で校舎裏へとたどり着いた。 どうやら呼び出した方はまだ来ていないらしく、校舎裏は至って静かだ。 [*prev] | [next#] (←) |