風紀室で恋の嵐 「狼、何をそんなに悩んでるんです?禿げますよ」 朝の見回りも終え風紀室に入って来た遠矢は、白い手紙の山を前にうなだれている狼が目に入った。 彼がここまでなるのは、実は毎朝のことだ。 もっとも、あと二、三分したら元に戻るのだが。 「いや、これの処理に困ってな」 そういって指されたのは、もはや変態オーラが滲み出ている氷魚の手紙だ。 「氷魚からのエロラヴレターですか、たしかにこれを持ってたら狼の人格も疑われますね」 「王太にも同じのが届いてるらしいのだ……」 「へえ……あの変態、授業どうしてるんでしょうね」 それは守備範囲の広いことで、と悪い方向に感心しつつ手紙の山から一枚抜き取る。 内容は放送禁止用語の羅列で、もう捕まってもいいと思う。 この内容なら侮辱罪でも告訴出来そうだ。 「遠矢、エロラヴレターなんて持ってどうするのだ?」 二、三枚手にとった遠矢は、無言でそれを見たあと制服のポケットに手を突っ込む。 お目当ての物が見つかったのか、遠矢はポケットから手を出した。 握られていたのは、コンビニ等で手軽に購入出来る小さなライター。 [*prev] | [next#] (←) |