「あのねえ……何の為に就職したの?」


「めぇと一緒にいる為です」
「彩花と一緒にいる為です」

見事にハモった二人の言い分に、朧はため息をついた。
授業妨害もいいとこなのだが、個人の指導力としては残しておきたい人材だ。

しかし、二人揃えたら完全に授業どころではない。


「じゃあ、どっちか辞めて?授業になんない」

「そんな!まさかオレを引き離して、彩花にあんなことやこんなことをするつもりじゃ……!」


危険物を見る目で彩花を朧から引き離そうとする雨丸だが、その思考自体が危険物だとは気付いていない。

「だっ……駄目ですからね!彩花はオレの!」
「めぇ……!」


頼むから目の前の二人をどこかにやってくれと、朧は頭を抱えた。
声にこそ出してはいないが、彩花も雨丸と同じようなことを目で訴えてくる。


「とは言ってもねえ……このままじゃ、二人とも辞めてもらうことになるよ?それなら片方が残って、片方は家で家事をやっていればいいじゃない」


名案だとばかりに提案してみるが、二人の表情は変わらない。
しかし、比較的冷静に判断ができるのか、二人は少しばかり考え込んでいた。

- 25 -


[*prev] | [next#]




(←)

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -