2 教師として問題発言をしつつ、雨丸は彩花の手を引っ張って屋上に向かおうとする。 しかし、そんな学生の青春のようなラブラブスクールライフは朧の手により敢え無く潰された。 「えーと、じゃあ教科書を開いてー」 予定より少し遅れて授業が開始され、雨丸は通常通り授業を進めていく。 しかし、彩花は教壇の前で悩み込んでいた。 (めぇの授業……ボクも受けたい!というかここだとめぇの声が聞こえない……!) 「先生、授業……」 「教科書読んで自習してて下さい!」 気まずそうに発言する生徒を理不尽に一喝し、彩花はなんとか隣の音を聞こうとする。 しかし一向に何も聞こえてこず、彩花はついに痺れを切らして教室から出て行った。 「めぇ!」 「彩花?」 隣の授業に乱入した彩花は、そのままの勢いで雨丸に抱き着いた。 雨丸は驚いているものの、満更でもなさそうに−−−−寧ろ嬉しそうにチョークを投げ捨て彩花を抱き返した。 「……何こいつら」 見ている方が砂を吐き出せそうなほど甘い雰囲気を醸し出している二人に、王太は半分死にかけた目を向けた。 WS学園の教師は変人が多いのだが、新たなタイプの出現に今からうんざり気味だ。 [*prev] | [next#] (←) |