「手紙?」

「そう、隣の悪何者高校の番長の氷魚って奴からだ」

若干聞いたことの有るような無いような名前に、雨丸は好奇心のまま手紙を開いた。

『王太君へ
君が好きです。君のことを考えるとピーがピーでピーピーピーピーピー』


雨丸は放送禁止用語ばかりの羅列で、既に危険物と化した手紙をそっと閉じた。

文章が成り立っているのが奇跡な手紙を山に戻しつつ、雨丸は王太の方を見遣る。

「エロラブレター……」

「……奴は間違いなく変態だ!」

山を見るのも悍ましいといった態度に、そうなるのも無理はないと思ってしまう。


「……で、雨丸先生に彼女の振りをしてほしいってわけ」

話の流れはわかったが、しかし雨丸のとる行動は一つだった、

「お断りします、彩花となら彼女の振りでもピーでもピーでもピーしても全然良いんですが……」


残念だ、といった様子で放送禁止用語を口走る雨丸に、王太は唖然とした。

まず、雨丸は氷魚のことを変態と言えないのではないだろうか。

「男なら拳で語り合うべきですよ!」

「その結果がこれなんだけど」

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