「用事とは…?」

「いや、…実はだな………着物を選んでほしいんだが」

「…………土方さん恋仲の方への贈り物なら恋仲のお方の好みを聞いてくる方が良いと思いますけど…」


「ちげぇよ!ばか!んな恋仲なんていねーし大きな勘違いだよっ!!」

真っ赤になって怒鳴りちらしてくる土方さんよほど焦っていた姿をとても珍しいと思ってしまった。


「俺の姉貴に送るんだよ」

「お姉さんですか?」

「あぁ、そうだ最近じゃ中々会う機会が無くてなんで明後日誕生日なんだよ」

「その贈り物ですね!!」

「……あぁ」

「それで私は着物を選べば良いのですか?」

「あぁ、そうだ、だからこれから出かける準備をしてこい」

「はい!」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ところで土方さんのお姉さんはどういったのが好みなんですか?」


「どういったか…」

「こう…柄とか色とかです」

「柄…性格はあんなでも意外と女らしい柄が好きだったかな…」


「うーん…女らしいですか…」

「とりあえずあそこの店に入るぞ」

「はい!」





「うわーいろんなものがありますね!!綺麗!」

「あぁ…そうだな」

「土方さん!これなんかどうでしょうか!?」

と土方の目の前に持ち出された目にうるさくない程度の赤色にいくつかの大きいササユリの花が描かれていた。

「ササユリか…あいつはそこまで上品じゃないと思うがな」

「じゃあ…あ、これはどうですか?」

淡い黄色に独特の生地柄をしている着物を自分に当てながら見せる

(…お前が似合っててどうするんだよ…)

と思っている土方さんの内心には気づかない千鶴に
先程とは違いあいまいな返事しか返ってこなくなった



「うーん…土方さん土方さん、これはどうですか?」

持ってきたのは白色の着物に下に向かう程沢山の赤い椿の花が鮮やかにたまっていくような着物だった

「きっと土方さんのお姉さんは綺麗で手厳しい方だと思うんです」

「あぁ…まぁ確かにうるさい程だったが…」

「でもそれはやっぱち土方さんを大好きだからっていうこともあって本当はとても優しい方なんだと思うんです…」

「・・・・・・」

「だからこういう着物の方がお姉さんに似合うんじゃないかなーと…」

それはまるで私はこういう人ですよ!とわかる雰囲気のそのままの着物だった

「…あぁ…良いと思うぜ…似合うと思う」

そう言うと満面の笑みで喜んでくれた千鶴

「よし、じゃあ買ってくるからお前は外で待っていろ、動くんじゃねーぞ」


「わかりました!」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「お、雪村君、トシおかえり!遅かったな」


「今帰った」

「ただいま戻りました、すみません近藤さん私が時間をかけてしまったんです…」

「いや、構わんよ、別に怒って言った訳じゃないんだ巡察以外でも外出なんで久々だったろうからなどうだったかい?」


「はい!ものすごく楽しかったです!!」


「それは良かった!!」
そう言うとニカッと笑い返したくれる近藤さん

「よし、じゃあこのまま島原へ出かけるぞ!もちろん雪村君もな!」


「え、私もですか?」


「あぁなんってたって今日の「近藤さん!さっさと行こうぜ」


「あ、あぁ…」


「……?」


わけのわからないまま二人についていく

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